ANA、京セラにSAF証書。普及促進、フォワーダーと連携
ANAは昨年9月、NXHDや近鉄エクスの要望を受けて荷主向けのSAFプログラムを新設。今回、第1号荷主として京セラの参加を得た。
フォワーダーにとっては航空会社が直接、荷主に証書を発行する仕組みの方が荷主に売りやすく、証書発行の手間も減らせる利点がある。外国航空会社の一部も既に同様の仕組みを導入しており、欧州系のフォワーダーなどがSAFによる環境価値の提供で先行する。
近鉄エクスの寺本俊哉氏は、「ANAが第三者認証機関の評価を受け、フォワーダーと荷主が連名で証書を発行してもらえるようになったことは、日本のSAF普及にとって非常に大きなステップになった」と述べた。
世界の航空業界はさまざまな取り組みで50年にCO2排出量実質ゼロを目指すが、大半は既存燃料のSAFへの置き換えで賄う計画。一方、足元のSAFの利用割合は今年の予想で世界全体の0・5%にとどまり、普及に向けては需要と供給の両面で課題を抱える。
ANA経営戦略部の松田義信氏は、「SAFは航空脱炭素化の最も大きな柱だ。皆さまの力を借りながら普及に取り組みたい」と述べた。今回の京セラの参画を転機に、フォワーダーと連携して参加荷主の獲得を強める。
日本海事新聞社