「卒業後は、ひとりで練習するつもりです」あの青学大エースの就職先は? 箱根駅伝“最強世代”青学大4年、取材記者が見た6人の素顔「アナウンサー内定も」
在学中、じつに3度の箱根駅伝優勝を経験した“最強世代”青学大4年生。4年間彼らを取材した記者が見た素顔とは? 【全2回の後編/前編も公開中】 【レア写真】「めっちゃ仲良さそう…」青学大・太田くんトークで笑う若林くん&「給水で“乾杯”」田中キャプテン、「左手薬指キラリ…」“婚約指輪”などすべて見る ◆◆◆
【3】野村昭夢「“堅実なのに”伝説的区間新」
1年時にキャプテン候補と目されていたのが野村である。 落ち着いていて、論理的。今回は6区で前人未到の56分台の区間新記録をマークしたが、「1秒たりとも無駄に出来ないのが6区です」と理論的に6区の攻略法を説明してくれたことがある。 個人的な感想では、野村の頭脳、論理回路を上回らなければ、彼の区間記録を更新する選手は出てこないと思う。 野村は、私の記憶では少なくとも2年生からは6区の候補に挙げられていた(ひょっとしたら、1年生の時からだったかもしれない)。その能力を見抜いた原監督の「慧眼」ぶりには驚かされる。 ただし、2年生の時は下りの練習をして故障した。原監督は「下りの練習をしないで、本番を迎えられんかな。野村だったら57分台出るのに」と話していた。それほど適性があった。 今回、56分台が出せたのは「4年生になってから継続して練習が出来たからです」と野村は話す。 「プチ故障はありました。それでも、危ないと思ったら、練習の質、量を落とすという勇気を持てたと思います」 故障に対する「予感センサー」の働きが、野村の場合は敏感。繊細で、論理的だからこそ6区をあれだけのスピードで下れたのだ。 卒業後も競技継続。 「日本代表とかは目指してないです(笑)。5000mで13分30秒切りは狙いたいですけど、日本選手権で上位争いができたらいいなと思ってます」 あくまで到達可能な目標を語る堅実さ。堅実なのに、56分台という信じられない記録に挑戦し、実現したところに野村の真骨頂がある。
【4】太田蒼生「ひとりで練習していくつもりです」
4人のなかで唯一、4度箱根駅伝を走ったのが太田だった。 1年夏の座談会の時から、太田は全体を観察しているような印象があった。客観的というか、一歩引いているというか、独特の見方をしているというか。 その発想はドライブがかかり、3年生の時には「将来は自分をマーケティング、ブランディングしたいです」と話すようになり、4年生になってからは、「自分の走りで感動を与えられるようになりたいです。それにはオリンピックで結果を残すしかないです」と語っていた。 ランナーとしての自分を、どう見せていくか。「アスリートというより、アーティストの感覚に近いですね」と話柄を向けると、「あ、それは大切にしたい感覚です」と話していた。 鶴川とは違った形で自分に対する絶対的な自信があり、表現欲を言葉よりも、走りで表すことを望んでいるように見えた。 箱根駅伝という大一番にピーキングを持っていける感覚には優れたものがあり、今後、どんな競技生活をおくるか興味深い。 卒業後はGMOインターネットグループへの所属が決まっているが、 「卒業してからは、ひとりで練習をしていくつもりです」 と話しており、「ソロ活動」でどんな結果を出すのか、目が離せない。
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