ドイツでは米軍が基地の汚染浄化を進めていた!なぜ日本では放置されているのか…
「不安を抱く母親たちのためにも」
だが、日本国内に目を向けると、基地内への立ち入り調査をめぐる米軍との交渉は、テーブルさえ設けられていない。これまでに、沖縄のほかにも、川上弾薬庫(広島県東広島市)、横田基地(東京・多摩地区)、三沢基地(青森県三沢市)などの周辺で汚染が見つかっているにもかかわらず、だ。 「ちゅら水会」のメンバーたちはドイツを視察する前に、ジュネーブで開かれた国連・女性差別撤廃委員会に参加した。NPO主催のランチミーティングでは、同行した北谷町議の仲宗根由美さんが「琉球(沖縄)の母親」の立場からスピーチした。 「1982年に国連総会で採択された予防原則に基づき、汚染の原因が科学的に証明されていなくても、日本政府は(汚染地域で)疫学調査を行い、不安を抱える妊婦や住民に包括的なケアを提供すべきです」 沖縄だけでなく全国でPFAS汚染の影響を受ける女性たちのためにも、国連から日本政府への勧告に盛り込んでほしい、と訴えた。 沖縄県は18日、PFASなど有害な化学物質や廃棄物を専門とする特別報告者を沖縄に招き、現場へ案内してPFAS汚染や日米地位協定などについて説明する。20日には、「国連特別報告者と考えるPFAS問題」と題するシンポジウムも開く。 筆者:諸永裕司(もろなが・ゆうじ) スローニュースで『諸永裕司のPFASウオッチ』を毎週連載中。(https://slownews.com/m/mf238c15a2f9e) ご意見・情報提供はこちらまで pfas.moro2022@gmail.com
諸永裕司