「シーピー カンパニー」デザイナー2人の野心 幅広い層の心をつかむ機能美と革新性
イタリア・ボローニャ発の「シーピー カンパニー(C.P. COMPANY)」が、日本初の旗艦店を2月にオープンした。同ブランドを1971年に立ち上げた故マッシモ・オスティ(Massimo Osti)は、エロルソン・ヒュー(Errolson Hugh)やキコ・コスタディノフ(Kiko Kostadinov)ら、テクニカルなウエアを得意とするデザイナーたちに影響を与えた人物で、 “The Godfather of Urban Sportswear”とも称されている。 【画像】「シーピー カンパニー」デザイナー2人の野心 幅広い層の心をつかむ機能美と革新性
「シーピー カンパニー」は、縫製後に染色を施すことで独特な色味と生地感に仕上げる技術“ガーメントダイ”をはじめ、通常は紙に用いる印刷方法でTシャツを制作するなど、グラフィックデザイナーだった故マッシモの経験を生かした革新的なアイデアを数多く導入。同時に、現代では定番となったミリタリーウエアやワークウエアの機能性にいち早く着目し、ファッションアイテムへと昇華させた比類なきブランドだ。
同ブランドが生み出した数々のアイテムは、デザインだけでなく生地開発や染色技術と結実しており、そのどれもがトレンドに左右されず、時代を越えてもエバーグリーンな輝きを放つ。現在もコアなファンから若い世代まで幅広い層の支持を集め、ビンテージ市場でアーカイブの価値が年々上がっているのは、半ば必然ともいえるだろう。
そして、故マッシモの飽くなき探究心と愚直な姿勢は、現在ヘッドデザイナーを務めるポール・ハーヴェイ(Paul Harvey)とアレッサンドロ・プンジェッティ(Alessandro Pungetti)の2人にも引き継がれている。旗艦店オープンのタイミング来日した、ハーヴェイとプンジェッティ、さらにマッシモの息子であるロレンツォ・オスティ(Lorenzo Osti)社長兼GMの3人へのインタビューから、「シーピー カンパニー」を解き明かす。
「意匠性との二者択一であれば機能性を選ぶ」