「シーピー カンパニー」デザイナー2人の野心 幅広い層の心をつかむ機能美と革新性
ーーまずは、二人が「シーピー カンパニー」のヘッドデザイナーに参画した経緯を教えてください。(注:1971~1998年はマッシモ・オスティが、1998~2001年はモレノ・フェラーリがヘッドデザイナー)
アレッサンドロ・プンジェッティ(以下、プンジェッティ):私は、「シーピー カンパニー」の創設地でもあるボローニャ生まれなので、ブランドとマッシモ・オスティのことは早くから知っていたんだ。そして、1990年代に別のブランドでデザイナーとして働いていたところ、当時オーナーだったカルロ・リヴェッティ(Carlo Rivetti、現ストーンアイランド会長)に声をかけられて2001年から働き始めた。それからしばらくして、「シーピー カンパニー」がある企業とコラボをすることになった際、仲介人から「素晴らしいデザイナーがいる」と紹介されたのが、友人のポールだったんだ。
ポール・ハーヴェイ(以下、ハーヴェイ):アレッサンドロとは1990年代から知り合いで、2012年に2人で「テン シー(TEN C)」というブランドも立ち上げている。その後「シーピー カンパニー」でも一緒に働くようになったのさ。
ーー「シーピー カンパニー」といえば、設立時からミリタリーウエアやワークウエアを着想源とした機能性が特徴の一つです。意匠性とのバランスをはじめ、デザイン時に留意している点はありますか?
ハーヴェイ:世界中で聞かれる質問だ(笑)。「シーピー カンパニー」の洋服をデザインする上で、それぞれのディテールには意味があって機能すべきだと考えているから、意匠性との二者択一であれば機能性を選ぶ。意味のない装飾としてのディテールは、極力デザインしたくないな。
ーー“Form follows function(形態は機能に従う)”ですね。
ハーヴェイ:まさに。“Functional beauty(機能美)”という言葉が存在しているように、デザインの根底には機能があるんだ。