「シーピー カンパニー」デザイナー2人の野心 幅広い層の心をつかむ機能美と革新性
ーー「シーピー カンパニー」のアーカイブアイテムが昨今ビンテージ市場で人気を博している現象についてはどう考えますか?
プンジェッティ:一度市場に出たアイテムは、個の命を持っているものとしてコントロールすべきではない。そのためビンテージ市場には介入せず別の土俵だと割り切っているが、人気を集めているのは本当にハッピーなことだ。
ロレンツォ・オスティ(以下、オスティ):これに関しては、私からも言いたいことがある。私たちとは別のプレーヤーによるこの事象は、洋服の耐久性と世代を越えて愛されていることを示す何よりの証拠だ。そして、長く着続けられていることは、結果としてサステナビリティにもつながる。素晴らしいことでしかないよ。
ーー現行とアーカイブの双方でファンを獲得している理由の一つは、ヘリテージとモダンという相対する価値観の共存だと思います。
ハーヴェイ:常に挑戦し続けてきたので、「長年にわたって、変わらず同じことを続けてきた」とは言いたくないが、その継続性にオーセンティシティー(普遍性、信頼性)を感じ取ってくれているのだろう。変わらないことに意味を見出せない人がいる一方で、そこに“本物”という価値観を見出してくれる人もいる。歴史を守りながら方向性は変えず進化していくーーいい意味でグレーゾーンな部分が魅力になっているのだと思う。
常に探求を続ける貪欲な姿勢
ーー二人が思う「シーピー カンパニー」のDNAとは?
ハーヴェイ:よく聞かれるが、難しいから次の質問で。というのは冗談(笑)。個人的には、常にイノベーティブであること。機能性という概念や、アイテムの命が長く続くための生地選びも重要だが、それはあくまで一部のこと。DNA自体が複雑な構造のように、他にも多くの要素があって言い尽くせないな。
プンジェッティ:マッシモ・オスティという人物が始めたブランドだから、彼の存在そのものが着想源。それをどう現代的に解釈するかがブランドのDNAだ。