いま通っている幼稚園が合わず保育園に入りたいのですが、なかなか空きが出ません。仕事を再開したいけど「一時預かり」はやはり高いですよね?
「指導方針が合わないから保育園?」
その前に、Aさんのご相談として「指導方針が合わないから保育園」という主訴を確認しましょう。 保育園は厚生労働省、幼稚園は文部科学省の管轄です。趣旨がまったく違います。もし「指導方針が合わないから」という理由であれば、今の幼稚園から別の幼稚園への転園を検討すればいいでしょう。 ただし、子どもにも人間関係が生まれつつある時期です。また、通園や行事など環境の変化に子どもがスムーズに対応できるかを見守っていかなければなりません。新しく人間関係をゼロから作っていくことも、子どもにとっては大きな負担となるでしょう。 転園先の幼稚園の指導方針が「親ではなく」子どもに合っているかどうかも見極めなければなりません。これらをふまえて「転園してよかった」と確認できるまでは、かなりの時間がかかると覚悟しておいたほうがよいでしょう。 一方、「指導方針が合わない」という理由で「今まで仕事の再開を先延ばしにしていたが、(まず)家計の基盤をしっかり固めよう」と保育園への転園を考える場合、幼稚園という「限られた時間の教育を主体とした施設」から「家庭での保育が十分に確保できないため、福祉施設である保育園」に転園となります。 大人であれば理解できますが、子どもにとって「長時間滞在する、幼稚園であればおうちで遊んでいた夏休みや冬休みといった長期休暇もなくなる」という事情をすんなり理解できるかは疑問です。そういった環境の変化については幼稚園の転園以上に見守っていく必要があります。 幼稚園から保育園に転園した結果、さまざまな環境の変化もあり、体調を崩すようになったということも想定しなければなりません。その場合には、おそらく事前予約などではなく緊急的な対応が必要になるプライベートの一時保育施設にお願いせざるを得なくなることも想定しておきましょう。
まとめ「子育てに大人の事情は通用しない」
家計運営には、プランニングが必要ですが、子育てに関していえば、「想定外のハプニングが起こるのが当たり前」という気持ちで臨むべきでしょう。 幼稚園にかかる費用、保育園ならばこのくらい、と金額のめどを立てますが、それ以外に病気やケガでの家庭保育、病後保育などがかかってきます。大きめの「のりしろ」を緊急必要資金として確保し、想定外の費用がかかっても「今はやむを得ない」と構えることが求められそうです。 出典 こども家庭庁 幼児教育・保育の無償化制度でよくあるご質問はこちら(2) 執筆者:柴沼直美 CFP(R)認定者
ファイナンシャルフィールド編集部