【展望】2025年の政治決戦…注目は「2・6・7の山」 石破少数与党VSガラスの野党 103万円引き上げと選挙の行方は
7月の参院選、その前の都議選の結果は
そして、臨時国会が延長されない場合、参議院選挙は7月20日(日)に行われる見通しとなっている。ここで自公が過半数を維持すれば、石破政権・自公政権への信任とみなされ、政権の安定化につながるだろう。自公が主導権を握る形での日本維新の会や国民民主党との連携促進、あるいは連立入りも視野に入れた動きが活発化する可能性がある。 逆に、野党が躍進し、参院でも自公が過半数割れした場合、自公は衆参両院で主導権を失うことになる。その場合、展開の選択肢は大きく2つに分かれるだろう。 立憲民主党が躍進していた場合は、自公政権が下野し、立憲民主党などを中心とした政権に移行する可能性も出てくる。逆に立憲民主党の勢いがそれほどではなかった場合は、自公が日本維新の会や国民民主党の意見を丸呑みする形での連立政権を模索する可能性がある。その場合は石破首相の続投、あるいは石破首相が退陣して新たな自民党総裁が首相になるパターンもあれば、維新や国民民主の党首を総理にかつぐウルトラCもないとは言えない。例えば自公が玉木氏などを首相に担ぐような構想も、かつて自民党が社会党と連立し村山政権を樹立したのに比べればハードルは低いのかもしれない。 また、この参院選の前哨戦になるのが、6月下旬か7月上旬に行われる見通しの東京都議選だ。都議選は、その後に控える国政選挙の結果と連動することが多い。2009年の都議選では、当時の民主党が自民党を上回って都議会第一党となり、翌月の衆院選でも民主党は大勝利して政権交代を実現した。その4年後の都議選は、自民党が政権復帰して半年後に行われて自民党が勝利し、翌月の参院選でも圧勝。衆参ねじれを解消し安倍内閣の長期政権化の礎となった。 一方、波乱の展開となったのは2017年の都議選で、小池都知事率いる都民ファーストの会が大躍進して自民党は惨敗。小池氏はその勢いで衆院の解散総選挙に際し、希望の党を結党し、国政での政権交代も狙ったが、希望の党の政策のあいまいさと、その反動としての排除発言をきっかけに立憲民主党が結党。野党分裂に救われ、安倍首相率いる自民党が政権を維持する結果となった。 また、今年の都議選は国政の各政党と都民ファーストの会に加え、石丸伸二氏の新党も参戦する見通しで、どのような展開になるのか見通せない状況だ。