【展望】2025年の政治決戦…注目は「2・6・7の山」 石破少数与党VSガラスの野党 103万円引き上げと選挙の行方は
103万円と予算案をめぐる攻防は2月が山場に
その103万円の控除拡大をめぐる協議の山場となるのが、2月末だ。2025年度予算を年度内に自然成立させるためには、実質的に2月28日までに衆議院を通過させる必要がある。しかし与党が過半数割れしている衆議院での可決には、野党、中でも国民民主党か日本維新の会の賛成をとりつける必要がある。 そのためには、この103万円の引き上げでの合意は必須だ。3党の税制協議は国民民主党が退席する形でいったん中断したが、自民党は123万円から更に引き上げる余地は見せていた。一方、国民民主党側も178万円に近づける意向は強調しつつ、満額にはこだわらない姿勢を示していた。 では、どこまでの引き上げで妥結するのだろうか。自民党の税制調査会からは「税は理屈だ」との指摘が出ており、物価上昇幅に合わせた123万円より上積みする際には、別の理屈が必要だ。そこで、生活必需品の上昇率に合わせた128万円、食料品の物価上昇率に合わせた140万円は、議論の対象になるだろう。 一方で、幹事長レベルで理屈ではなく政治的に決着させるなら、永田町の伝統的手法である「足して2で割る」方法もありうる。103万円と178万円の中間である140万円程度、あるいは123万円と178万円の中間である150万円程度というのは、落としどころを探る目安になりそうだ。150万円という数字は、特定扶養控除が150万円まで引き上げられたことや、玉木氏が年末に「150万円以上は絶対」と発言したことも補強材料となりそうだ。 国民民主党にとっては夏の参院選を控え、国民の期待を背に安易な妥協はできないものの、一定の成果は欲しいのも本音だろう。これに対し、自民党は予算を成立させるための妥協は避けられない状況だ。ただし、国民民主党はあてにせずに、教育無償化や社会保険料の低減を訴える日本維新の会の賛成を得て予算を成立させる戦略も検討されている。これが103万円問題の最終決着にどうつながるかも注目だ。