JR東海社長「説明する」リニアボーリング調査中断で専門部会や大井川流域自治体に「先進坑は水が出てくる量は桁違い」市民団体は懸念
静岡放送
リニア中央新幹線のトンネル工事の前の段階となる「ボーリング調査」について、JR東海は先週、中断すると発表しました。丹羽俊介社長は、今後の計画について、静岡県の専門部会で示し、大井川流域の自治体にも説明する考えを示しました。 【写真を見る】JR東海社長「説明する」リニアボーリング調査中断で専門部会や大井川流域自治体に「先進坑は水が出てくる量は桁違い」市民団体は懸念 ボーリング調査は、リニア中央新幹線のトンネル工事の前の段階として、地質や地下水を調べるためのもので、山梨県から静岡県に向かって行われていました。 11月20日には県境を越えて、静岡県内に入り、10メートルの地点まで調査が進みました。しかし、山梨県内の地質がもろい箇所で土が崩れて穴がふさがり、これ以上調査を継続することが困難になったとして、JR東海は先週、中断すると明らかにしました。 JR東海の丹羽俊介社長は12月12日に行われた定例会見の中で、「今後の先進坑掘削の計画等については次回の専門部会で私どもの方からご説明していきたい」と答えました。 中断の発表を受け、静岡県の鈴木康友知事は「大井川流域の自治体や利水者などの関係者に対してもJR東海から丁寧に説明し、理解を得る必要がある」という認識を示しましたが、JR東海の丹羽社長は「いつ、どのような形で説明するかは、現在調整中であるが、大井川利水関係協議会の会員の方々に説明する予定」としました。 リニア工事の中止などを求める市民団体は「なぜ、中断となったのか、原因を確認し、どのような抗議や要請をするのか決めたい」と述べました。 <県リニア工事差止訴訟の会 山本敦さん> 「先進坑は水が出てくる量からしたら、ボーリングとは桁違いにも桁違いなので、そういうところまで進んでいくのは心配が大きい」 JR東海は今後、リニア工事の作業用トンネルとなる先進坑の掘削を静岡県境手前まで進め、その後、あらためて、静岡県内のボーリング調査を行い、地質や湧水の状況を確認していきたいとしています。
静岡放送