兄弟車スバル「WRX」と「レヴォーグ」のうち1台を選ぶとしたら…スバリストを悩ます大問題!? 類似点と相違点を解説します
2代目WRXのパワーユニットは2代目レヴォーグのSTI Sport Rと共通
WRX S4のグレード仕様は、2.0GTと2.0GT-Sの2タイプ。トランスミッションはスポーツ・リニアトロニックのみで、駆動方式はVTD-AWD(不等&可変トルク配分電子制御AWD)を採用。WRX STIのグレード展開は、STIとSTI Type Sの2タイプ。トランスミッションは6速MTのみ、駆動方式にマルチモードDCCD(ドライバーズ・コントロール・センター・デフ)を採用した。 初代のVA系(2014年~2021年)に続いて、2代目のVB系(2021年~)が約3年前から発売されている。2代目WRXの米国仕様車は、2021年9月に発表され翌2022年に発売。日本仕様車のWRX S4は、同年11月下旬に発表され、GT-HとSTI Sport Rの2グレードを設定。兄弟モデルと言える2代目レヴォーグに追加された、アプライドB型2.4Lターボ仕様と同日に発表されている。
2代目WRXのパワーユニットは、同日に一部改良された2代目レヴォーグのSTI Sport Rと共通で、初代から排気量を400cc増した2.4 L直噴ターボDITエンジンのFA24型へ換装。トランスミッションは初代WRX S4のスポーツ・リニアトロニックをベースに、変速比幅を拡大し加速性能を高めつつ騒音・振動も低減し、新開発の変速制御を採用したスバル・パフォーマンス・トランスミッションも搭載された。 車名のWRXとは、「World Rally eXperimental」を意味する。スバル往年の先輩、「レオーネ」のスポーツグレードに採用された「RX」=Rally+未知なる物を意味するXを継承した。「S4」はSports performance/Safety performance/Smart driving/Sophisticated feelの4つの頭文字Sに由来する。
レガシィツーリングワゴンにも搭載されたエンジン
一方のレヴォーグはステーションワゴンで、同「レイバック」がクロスオーバーSUVとして誕生した。車名のLEVORGは、“LE”GACY(大いなる伝承物)、RE“VO”LUTION(変革)、TOU“R”IN“G”の3単語を組み合わせた造語。2013年11月下旬の東京モーターショー・参考出品にてワールドプレミア、翌2014年4月中旬に発表、6月下旬に発売。同時期にアメリカで先行発表されたWRXに対し、レヴォーグは日本国内市場を重視して開発・販売された。 初代のVM型(2014年~2020年)は、5代目「レガシィツーリングワゴン」より全長・ホイールベースともに100mm短く、全高を50mm低く、日本の交通事情で取り回しやすいボディサイズに設定。外観デザインはスバル特有の六角形(ヘキサゴン)グリル、鷹の目(ホークアイ)ヘッドランプなどを採用した。 エンジンは1.6L直噴ターボのFB16型を新開発し、レギュラーガソリン仕様に。レガシィツーリングワゴンGT・DITにも搭載された2.0LエンジンのFA20型は、最高出力300ps/最大トルク400Nmを発揮。トランスミッションは無段変速機のリニアトロニック(マニュアルモード付き)で、とくに2.0L用は高出力に対応するスポーツ・リニアトロニック(マニュアルモード付き)を搭載した。 2代目のVN系(2020年~)は、新デザイン・コンセプトのBOLDERが量産車で初めて採用され、ヘキサゴングリルは立体的でワイドなデザインに進化した。初代で2種あったエンジンは当初、新開発の1.8L直噴ターボDITのCB18型のみ設定だったが、2021年11月の一部改良で、2.4L直噴ターボDITのFA24型を搭載したモデルも追加された。