事故多発の「勝手踏切」対策急務 JR可部線に60カ所 広島市
広島市安佐南区のJR可部線の「勝手踏切」でまたも死亡事故が起きた。4月に同区緑井で発生したのに続き、16日、祇園6丁目で男性が亡くなった。頻発する事故を防ぐための対策が急務になっている。 衝突事故が起きた可部線の「勝手踏切」 同区などによると、事故が起きた線路は幅約1メートルの「里道(りどう)」と交差している。里道沿いには民家が立ち、見通しは悪いが、フェンスなどはなく自由に通り抜けできる。遮断機と警報機はなく、そばに「入らないで下さい」と書かれたJRの看板が立つ。 付近の住民によると、約70メートル離れた場所に正規の踏切はあるが、バス通りや集会所への近道として通行する人が多い。近くのパート女性(65)は「子どもの頃から通っているが、最近の列車の走行音は静かで危険だと思っていた。事故を聞いて怖くなった」と話した。 JR西によると、可部線には約60カ所の勝手踏切がある。4月には同区緑井6丁目の勝手踏切を渡っていた60代男性が列車にはねられて亡くなった。線路内への立ち入りは鉄道営業法で禁じられている。事故を受け、JR西は地元住民たちに封鎖を持ちかけているが、合意形成に時間がかかっているという。 JR西は「線路内は足元も悪く危険。踏切のない線路は絶対に横断しないでほしい」としている。
中国新聞社