「五反田バレーとの連携も支援」 モンゴル高専、創立10周年 日本との人材交流活発に
日本式高専(高等専門学校)を実践するモンゴル高専3校と「モンゴルに日本式高専を創る支援の会」は1日、モンゴル高専創立10周年記念フォーラムを東京都品川区のSHIPで開催した。日本の高専関係者やモンゴル高専卒業生、企業関係者など200人以上が参加し、10年の歩みを祝った。 【関連写真】高専生への期待を語ったさくらインターネットの髙橋執行役員 モンゴルには、日本式高専を実践する「モンゴルコーセン技術カレッジ」「新モンゴル技術カレッジ」「モンゴル国立科学技術大学コーセン技術カレッジ」の3校がある。 フォーラムは3部構成で行われ、第1部では技術教育に関する学術講演会を実施。第2部前半の祝賀会では、モンゴルのルブサンニャム・ガントゥルム第一副首相兼経済・開発大臣が「今後、さらに日本式高専がモンゴルに定着していくことを願っている。モンゴルが産業化した国として発展することを願っている」とビデオメッセージであいさつ。 祝辞を述べた品川区の森澤恭子区長は「品川区内企業への就職者が20人を超えるなど、人材交流事業の成果が表れている」と成果を強調。「五反田バレーなどスタートアップとの連携支援で、新たな協力関係を構築していきたい」と今後の展望を述べた。 第2部後半のシンポジウムでは「アジアの未来は高専にある」をテーマにパネルディスカッションを開催。モンゴル高専卒業生のインターンシップ受け入れや採用の実績がある勝亦電機製作所の勝亦章浩社長は「モンゴルの高専生は『国を豊かにしたい』という高い志を持っている」と評価した。 自身の子どもも高専に通っているさくらインターネットの髙橋隆行執行役員は「専門教育の充実した高専制度の優位性」を高く評価する一方、「内気な高専生の活躍の場をさらに広げていってほしいと」と期待も寄せた。 モンゴル3高専は2014年9月に開校。品川区は17年から、元都立産業技術高等専門学校副校長であった中西佑二氏(現・モンゴルに日本式高専を創る支援の会代表理事)を中心に、区内企業の人材確保や技術者育成を目的とした人材交流事業を展開。現在も区内企業でのインターンシップ受け入れが活発に行われている。
電波新聞社 報道本部