店に飲食物持ち込みで『罰金1万円』、居酒屋で吐いたら『罰金1万円』 飲食店の独自ルール 法的な有効性は?【#みんなのギモン】
「食べ放題プランの食べ残し禁止」など、飲食店には独自のルールを設けているお店があります。ルールを守らなかった場合は罰金としてお金を請求されるケースも。これって本当に払わないといけないのでしょうか? 専門家に聞きました。(日本テレビ報道局 調査報道班) ▼学校でも独自ルール…「下着の色」まで……恐怖のブラック校則 「女子は必ず前髪を」「ハート禁止」も 専門家「モラハラです」
■飲食店の独自ルール 有効性は?
「スープより先に麺を食べるの禁止」、「食べ放題プランの食べ残し禁止」など、飲食店には利用客に対して独自のルールを設けているお店があります。 なかにはルールを守らなかった場合に、罰金としてお金を請求されるケースも。 これって本当に払わないといけないのでしょうか? 日本テレビの情報提供サイトに寄せられた2つのケースについて、飲食店の法律問題に詳しい石﨑冬貴弁護士に聞きました。
■ケース①『店内への飲食物持ち込み禁止』貼り紙見落とし罰金
『持ち込み禁止の貼り紙を見落としてペットボトルを店内に持ち込んだところ、飲んでいないのに罰金1万円を請求されました』 石﨑冬貴弁護士 「この場合、罰金を支払う必要はありません。ペットボトルを無断で持ち込まれたことによる店への損害を考えたとき、ただ持ち込んだだけで1万円の損害が出るとは考えにくい。仮にお客さんが貼り紙を見ていたとしても、持ち込んだだけで罰金を取るというのは難しいと思います」 持ち込んだ飲み物を飲んでしまった場合はどうなのでしょうか。 石﨑冬貴弁護士 「仮にビール1缶を持ち込んで飲んだとします。店でビール1杯500円で販売されていたとして、ビールを注文されなかったことによって利益分の損害を受けたとするなら、ビール1杯の値段から計算できる利益分を損害として請求することはできるかもしれません」 お店側は、お金を取るのではなく、その場で退店を求めるなど別の方法を取るべきだといいます。
■ケース②『吐いたら罰金1万円』支払う代わりに清掃
『”吐いたら罰金1万円”というルールがある居酒屋で大学生が吐いてしまい、罰金を支払う代わりに自ら掃除をしたと聞きました。これって問題ないのでしょうか』 石﨑冬貴弁護士 「前提として、店側はルールを自由に決めることができ、お客さんはそのルールを守った上でサービスを受けることになります。もしルールを守らずに店に損害を与えた場合は、損害賠償責任を負うことになります。予約の無断キャンセルのキャンセル料もそのひとつです」 罰金を請求すること自体に問題はないといいますが、このように店側が決めたルールに基づいて罰金を請求する場合は、事前に客から合意を得ていることと、罰金の額が適正であることが条件になるといいます。