2024年首都圏中学入試の振り返りと将来予想図 2026年入試は「サンデーショック」の影響あり
中学受験を考えている保護者が知っておくべきこと
2025年入試では、例年2月2日に入試を行うミッション系の一部の学校の受験日が変更されます。すでに青山学院は2月2日から2月3日に入試日を移動することを発表しました。 さらに、新5年生が受ける2026年入試は、例年2月1日に入試を行うミッション系の一部の学校の受験日が2月2日に移動するという、いわゆる「サンデーショック」の年にあたります。入試日が変更されると、ミッション系以外の超難関校を第一志望校にする子にとっては、受験できる学校の選択肢が増えてチャンスになるのですが、ミッション系の難関校を目指して受験する子にとっては受験者が増えて不利に働きます。 このように、2025年入試、2026年入試は、例年と異なる受験動向になることは間違いありません。志望校の受験日がどうなるかは、事前に確認しておく必要があります。 一方で、日々の子どもへの学習サポートは、この数年で大きく変わることはありません。わが子の学力、特性にあった学習塾や学習環境を用意し、塾からの宿題は取捨選択してあげてください。塾の宿題をすべてやり切ることを優先するあまり、子どもの心身に負荷がかかりすぎては元も子もありません。 前述したとおり、昨今の入試は「思考力・判断力・表現力等」を問う問題が増えています。このような力は心身にある程度のゆとりがあってこそ、培われていくものです。 一見難問に思える問題でも、要素を分解すれば、基本問題の組み合わせにすぎません。基礎の理解を深めることが、応用問題・発展問題を解く力につながります。中学受験は「急がば回れ」です。目先のことにとらわれがちなわが子の中学受験サポートですが、ぜひ、今後の長い人生のなかで中学受験を通じて得たことが生きるように、見守っていただけたらと思います。 (注記のない写真:YsPhoto / PIXTA)
執筆:教育・受験指導専門家 西村 創・東洋経済education × ICT編集部