即興デジタルアートの世界王者誕生 大阪で初の世界大会
即興デジタルアートの世界王者誕生 大阪で初の世界大会 THEPAGE大阪
世界一の即興デジタルアート・アーティストを決める大会「リミッツワールドグランプリ」が大阪市内で開かれ、初代世界チャンピオンが誕生した。容赦のないカウントダウン、1対1のガチンコ対決ならではの心理戦、闘争心をかきたてる華やかな演出。観客注目のプレッシャー、求められる瞬時のひらめきと確かな技術力。大阪で生まれた新しいアート格闘技の現場を取材した。
あでやかに「デジタルアートのクイーン誕生」
あでやかな振り袖にチャンピオンベルトを巻いて、観衆からの祝福に応えるのは、初代世界王者のアオガチョウさん。地元大阪市で活動するデザイナー・画家だ。リミッツ初参戦でいきなり世界王者に輝き、賞金100万円を獲得。司会者から「デジタルアートのクイーン誕生」「美しきアートモンスター」などと、最大級の賛辞を贈られた。 リミッツは2015年、大阪で生まれた新しいアートイベント。2人のアーティストが直前に与えられたテーマに沿い、制限時間内にデジタルアートを作成し、作品の完成度を競う。容赦のないカウントダウン、ガチンコ対決ならではの心理戦、闘争心をかきたてる華やかな演出。観客注目のプレッシャー、求められる瞬時のひらめきと確かな技術力などから、デジタルアートの格闘技とも呼ばれる。 公式戦3回目で世界大会に昇格。日本人11人と米国、中国、台湾、韓国代表の4人の計15人が参戦し、2日間にわたってトーナメント方式で戦った。シード、予選勝ち抜き、敗者復活と、15人の物語はそれぞれ起伏に富む。 1戦ごとにアーチストたちは名前をコールされ、ステージへ。作品を描くモニター画面の機能を入念にチェック。モニターと向き合うわずかな角度の違いにも神経をとがらす。 短距離ランナーがスターティングブロックを微調整したり、棒高跳びの選手がポールのしなりや握りの感触を確認する動作に近い。単に機能の点検というより、精神統一の意味もあるのではないか。制限時間は20分。テーマが決まった直後、大音響とともにカウントダウンが始まり、アーティストの手が動き出す。