1億円プロジェクトで歌手デビューも…喫茶店でバイト三昧だった井上あずみ「ジブリの名曲」と出合い運命をたぐり寄せて
『君をのせて』や『となりのトトロ』など、ジブリ映画に欠かせない名曲を歌う歌手・井上あずみさん。アイドルを目指して上京するも鳴かず飛ばずだった下積み時代を経て、名曲との運命の出合いを果たします。(全4回中の1回) 【写真】制服姿で「まさにアイドル」な井上あずみさんのデビュー前(4枚目)ほか
■アイドルの登竜門「スター誕生!」で玉砕し ──『となりのトトロ』や『天空の城ラピュタ』など、名作スタジオジブリ映画で作品とともに誰もが井上さんの歌声に魅了されてきました。井上さんが歌手になったきっかけを教えてください。
井上さん:小さいころから歌が好きでした。2~3歳のとき、バス停でバスを待つ間に歌を歌うと、そこにいたおじいちゃんおばあちゃんから拍手をもらったことが原点だと思います。歌うとみんなが笑顔になって喜んでくれるのがうれしくて「歌手になりたいな」と思いました。 地元・金沢に乙田修三先生という有名な先生がいらして、小学校5年生くらいから週に1回、放課後に歌を習いに行きました。そこからお祭りとか、のど自慢大会みたいなイベントにもたくさん出て、そのたびに賞をいただいたりするようになったんです。
── アイドルの登竜門『スター誕生!』にも出場されたそうですね。 井上さん:はい。実は『スター誕生』に2回出ました。1回目は小学校6年生のとき。当時、岩崎宏美さんが大好きで大好きで、岩崎さんの曲で出場したら「そっくりすぎる」と。「君はすごく歌がうまいんだけど岩崎宏美はもういるから、同じことができても君の場所はないんだよ」と言われました。でも才能があるから別の曲を歌ってまた挑戦してみたらと言うので、14歳で再挑戦したんです。それで決勝大会へ。でも、スカウトマンからプラカードが上がらず、歌手にはなれなかったんです。決勝前に後楽園ホールで一度リハーサルがあって、レコード会社の人と少しお話ししたこともあったので「脈ありなのかな?」と受かる気でいましたけど、世の中そんなに簡単にはいきませんでしたね(笑)。