「ガチャ化する社会」でZ世代が持つべき考え方 上司、配属、ガチャの当たりはどこにある?
つまり20人も婚活男性が集まると、年収・職業・見た目など、やはり突出した人が現れる。女性はことごとく、その男性に群がる。1位に集中するのだ。しかし、考えてみると、あえて5番目くらいを選べば独り勝ちできる可能性は高いし、決して悪い戦略ではなかろう。20人中の5番目なら十分上位だ。ではなぜ、そうならないのか。 高橋先生は実際にある女性に聞いてみた。なんで1位に行くんですか? と。見目麗しいその女性は、あっけらかんと言ったという。
「一番若くてイケメンのところに行くよね。狙っているイケメン以外、話はするけど、申し訳ないけど眼中にない。今日マッチングしなくても、こういうパーティーは次があるし。だって、別に、次のパーティーで見つけたらいいじゃない」 まさに、婚活ガチャだ。かくして「婚活パーティーのリピーター」という、一番あってはならない優良顧客が出来上がる。 ■ガチャの当たりはどこにある? 婚活ガチャを当てる方法は、当たりが出るまで何度も引くことである。しかし、この必勝法を実践しているはずの人が、当たりを掴めずなぜかガチャを引き続けている。なんだこのガチャ、当たりが入ってないのか?
もうお気づきの方もいるだろう。ガチャ概念は、決定的な弱みを抱えている。 『君は君の人生の主役になれ』(鳥羽和久著、ちくまプリマー新書)という本のなかで(熱いタイトルだ)、ガチャ概念の根本的な問題を指摘している箇所がある。鳥羽氏の指摘は通説と一風変わっており、かつ核心に迫っている。 すなわち、「ガチャ概念の最たる誤りは、当たりがどこかにあると錯覚している点にある」というのだ。ガチャを引き、そしてハズレを引いたと思っている人は、おそらく当たりが何であるかわかっていないし、厳密な定義もしていない。
1位男性を狙い続ける婚活ガチャで本当に考えるべきは、高望みしないで妥協しなさいっていうお節介よりも、本当に1位男性が当たりなのか、という問題だろう。仮にいつか1位男性とマッチングできたとして、その男性と結婚することが幸福を決定してくれる保証など、どこにもない。逆になんなら10位男性くらいでも十分幸せなのかもしれないけど、引く側が勝手にハズレ扱いしているだけの可能性もある。 自分、配属ガチャ、外れたんですよ。上司ガチャもハズレ。やってられないですよね。こんな会社、辞めた方がマシだわ。