旧優生保護法の強制不妊手術、熊本県知事「手術を進めたことを心からおわびします」…被害者の女性に謝罪
熊本県の木村知事は27日、旧優生保護法に基づく不妊手術を強制された県内の女性と県庁で面会した。「子どもを産む権利を奪われ、本当にあってはならないことをした。事務を担い、手術を進めたことを心からおわびします」と頭を下げた。 【写真】「戦後最大の人権侵害」旧優生保護法に違憲判決、福岡訴訟原告「心強い判決で涙が出るほどうれしい」
国が補償金や一時金を支払う被害者救済法は来年1月17日に施行される。女性は20歳代で手術を受けたといい、面会では救済の手が被害者に届くように周知を求めた。障害の有無にかかわらず、本人や家族が安心して暮らせる社会の実現を訴えた。
手術をしていた病院が掲げていた「優生保護法指定医」という表札が今も一部で残っているとして、負の遺産として保管するようにも要望した。木村知事は「できる限りやっていく。被害者が声を上げやすい仕組みづくりをしっかりと進める」と述べた。
面会後、女性は報道陣の取材に「知事に伝えたいことがあり、緊張するかと思ったが面会を受け入れた。謝罪で心が穏やかになった」と語った。県によると、木村知事は27日、非公開を希望した4人の被害者にも謝罪した。少なくとも県内では、不妊手術を受けた人は624人、人工妊娠中絶手術を受けた人は1979人に上るという。