バイキングの経口型肥満症治療薬、新たなデータは将来の有望性を示唆
(ブルームバーグ): 米バイオ医薬品会社バイキング・セラピューティクスが発表した経口型の肥満症治療薬に関する新たなデータを受け、競合大手イーライリリーやノボ・ノルディスクの注射タイプの治療薬に対抗し得るとの見方が強まった。バイキングの株価は急伸し、買収観測がさらに高まった。
バイキングの株価は一時8.5%上昇。肥満症治療の市場における次の成長の波は、より服用しやすい経口錠剤だとのウォール街の思惑に後押しされた。錠剤は利便性の向上と副作用の減少が期待でき、より多くの患者がより長く服用し続けられる可能性もある。
3日の業界会議で発表された効果と安全性のデータを巡るバイキングの研究は、このような治療薬が近く現実のものになる可能性を示している。同会議での発表によれば、92人を対象とした初期段階の研究で、100ミリグラムの錠剤を服用した人は、28日後にプラセボ(偽薬)を服用した人と比較して平均6.8%の体重減少を示した。
ブルームバーグ・インテリジェンスのアナリスト、マイケル・シャー氏はリポートで、「忍容性は良好で、軽度の吐き気のみで、服用を中止した患者はいなかった」と指摘。副作用は他の肥満治療薬と同様だったという。
この明るい結果は、同社が第4四半期に中間段階の試験に移行できることを示唆していると、シャー氏は述べた。
肥満症治療薬市場の規模は2020年代末までに1300億ドル(約20兆円)に達するとみられ、新規顧客を取り込もうと大手製薬会社とバイオテクノロジー新興企業の競争が激しさを増しそうだ。
ノボの株価はコペンハーゲン市場で2.5%安。イーライリリー株は米市場で一時1.7%下落した。
ウィリアム・ブレアのアンディ・シエ氏によると、バイキングの体重減少データは投資家の予想を上回り、大手製薬会社による買収の可能性が高まった。
原題:Viking Results Suggest an Obesity Pill Can Compete With Shots(抜粋)