体が覚えていた消火活動 消防署・消防団OBが延焼防ぎ感謝状/京都・福知山市
6月に京都府福知山市内2カ所で発生した屋外の火災で、適切な消火活動を行い延焼を未然に防いだとして、福知山市消防本部(澤田晴彦消防長)は5日、市民4人に感謝状を贈った。4人は元消防署員、元市消防団員で、消火栓の使用など過去の経験を生かして被害の拡大を防いだ。
■萩原の野焼き火災で西田さんと梶村さん
1件目は6月6日に萩原で起きた火災。元福知山消防署通信指令室長の西田一二三さん(77)と元市消防団上六分団の梶村薫さん(66)が、近くで行われていた野焼きから炎が拡大していくのをいち早く察知して駆けつけ119番通報。近隣住民の協力も得ながら20メートルホース3本をつなぎ、消火栓を使用して放水。林野や住宅への延焼を防いだ。 梶村さんは3年前にも初期消火活動に貢献し感謝状を受けていて、「非常時に速やかに行動するには、日ごろから“もしも”の時にどう行動するかを考えておくことが大切だと改めて感じた。建物や人に被害が出なくてよかった」と語っていた。
■三和町西松の火災で高見さんと小畑さん
2件目は6月14日に三和町西松の空き地で行われていたたき火から燃え広がった火災。 現場から少し離れた場所で農作業中に、黒い煙が上がっていることに気付いた高見松男さん(70)と小畑強さん(65)が車に乗って駆けつけた。 2人とも市町合併前の「三和町消防団」に20年以上所属した経験があり、小畑さんがホースの筒先を持ち、高見さんが消火栓を開ける連携の取れた動きで、延焼の恐れがあった家屋、燃えている枯れ草などに向けて放水。被害拡大を防ぐ初期消火に貢献した。 2人は「20年以上ぶりに消火活動を行い緊張しましたが、道具の使い方などは体が覚えていました。設備があっても使えなければ意味がない。消防団に所属していた過去の経験が役に立ちました」と話していた。 感謝状の贈呈式は東羽合の市消防防災センターであり、都合がつかなかった西田さんを除く3人が出席。澤田消防長が感謝状を手渡した。