茶の木が2世紀にわたる中国とブラジルの友好の懸け橋に
【東方新報】南半球が初夏を迎える中、ブラジルのリオデジャネイロ植物園(JBRJ)は草木が青々と生い茂り、活気に満ちている。入り口を入るとすぐ、昔中国からもたらされた茶の木から漂い出る優雅な茶の香りが来園者を歓迎している。 その傍らには、ポルトガル語と中国語で書かれた中国福建省(Fujian)から贈られた石碑が置かれ、そこには「1812年、ブラジルに移住した最初の中国移民が、ここに茶の木を植えた。この木は中国とブラジルの友好の証である」と刻まれている。 中国とブラジル両国民の永続的な絆を祝して、今年11月16日、この植物園に新しく「中国・ブラジル友好庭園」がオープンした。お茶で結ばれた両国民は、再びお茶で友好を深めることになった。 19世紀初頭、中国の茶農家たちは困難な旅に出発し、茶の木と苗木をブラジルに持ち込んだ。彼らは現在植物園があるこの場所に最初の茶の木を植え、茶栽培の知識を広めた。それ以来、中国茶はブラジルの土壌に根付いた。そして1817年までの短期間で、約6000本の茶の木が植えられた。 1873年、ウィーン万国博覧会で、ブラジル茶は高い評価を受け、ブラジルは世界有数の茶の生産国として台頭した。 現在、リオデジャネイロのティジュカ国立公園(Tijuca National Park)を訪れると、小さな優雅な中国風のパビリオンを見ることができる。このランドマークは、20世紀初頭にリオ政府によって建てられたもので、山や海を越えてブラジルに茶葉をもたらした最初の中国人茶農家を記念したものだ。 このパビリオンは、ブラジルがこうした開拓者たちを尊敬していることを示すものとなっている。 最初の茶の木が植えられてから200年以上が経ち、茶はブラジルの文化遺産として深く根付いている。 リオの「中国系ブラジル人友好協会(Chinese Brazilian Friendship Association)」は「ポルトガル語の『茶』の発音が中国語の発音と非常に似ていることも、両国の文化のつながりが長い間続いていることを示しています。ブラジルに移民した中国人は、何世紀にもわたり中国文化の普及に貢献してきました。茶文化や中華料理の伝統をリオに紹介した中国人移民が、ブラジルの発展に貢献し、中国とブラジルの文化の架け橋となってきました」と紹介する。 今日、リオの至る所で中国の影響が見られるという。地元の人びとは中国製の地下鉄車両で移動し、中国製のフェリーを利用し、孔子学院で中国文化に触れている。中国人の生活様式が、ブラジルの日常生活に徐々に溶け込んでいる。 また、ブラジルは「中国・リオデジャネイロ友好の日」や「中国語の日」など、中国とブラジルの関係を祝う重要な日を公式に認定している。毎年8月15日を「中国移民の日」と定め、中国系コミュニティがブラジル社会にもたらした貢献を顕彰している。中国に関連するこれらの祝典は、両国の友好関係をさらに強固なものにしている。 中国とブラジルは距離的には大きな隔たりがあるが、お茶を通じて築かれた架け橋は、両国を非常に近しいものにしている。(c)東方新報/AFPBB News ※「東方新報」は、1995年に日本で創刊された中国語の新聞です。