準強制性交傷害の疑いで書類送検された伊東純也の日本代表復帰は叶うのか…ソフトバンク山川穂高の“判例”から考察すると…告発女性も書類送検され弁護士は不起訴濃厚の見解示す
グループステージの全3試合に出場していた伊東は、1月31日のバーレーン代表とのラウンド16で突然ベンチ外となった。さらに日本サッカー協会(JFA)内における話し合いの末に大会途中の2月2日にチームを離脱し、右ウイングを欠いた日本も準々決勝でイラン代表に1-2と逆転負けを喫している。 続く活動となった3月シリーズ、さらに直近の6月シリーズでも、スタッド・ランスで好調をキープしている伊東は招集されなかった。3月シリーズのメンバー発表会見で、伊東を選外とした理由を問われた森保一監督(55)はこう答えている。 「ひと言で言うと、彼を守るために招集しなかった。招集は可能だと思うし、招集したいと思っていたが、実際に純也を招集して、日本で彼を取り巻く環境がどのようになるのかを想像したときに、落ち着いてプレーできる環境にはならないと想像している。さらに彼が一番大切にしている家族や、大切にしている方々に対する影響を考えると、いまは招集しない方がいいと判断させていただきました」 大阪府警の捜査を含めた状況が変わっていないという理由で、伊東は6月シリーズも引き続き選外となった。しかし、大阪府警から大阪地検への書類送検とともに、ひとつの節目を迎えた。今後は、検察側の判断、つまり起訴されるのか、あるいは不起訴になるのかによって、伊東の日本代表復帰の可能性が変わってくる。 では検察はどんな決断を下すのか。 今回も大阪府警がつけた意見の内容がポイントになってくる。 警察側が書類送検する際に付与する意見は、全部で4段階に分けられている。具体的には前出の「厳重処分」と「相当処分」に加えて、起訴猶予を求める「寛大処分」、そして起訴できないと考える「しかるべき処分」と続いている。 新聞各紙の報道では双方の書類送検に、いずれも起訴を求めない意見、つまり「しかるべき処分」が求められたとされる。書類送検を受けて東京都内で会見した、伊東の代理人を務める加藤博太郎弁護士も「伊東純也さんに関しては不起訴の公算が大きい」と、刑事処分には問われない見通しを語ったという。 起訴ならアウト。不起訴処分となって刑事裁判にかけられなければ、森保監督が懸念した「日本で彼を取り巻く環境」も大きく変わり、代表復帰の可能性が高くなるだろう。アジアカップ期間中に代表を離脱してからも、ラージグループのなかに入っている伊東を復帰させる理由も生まれる。加藤弁護士によれば、伊東自身も森保ジャパンへの復帰を強く望んでいるという。 山川の場合は、書類送検から不起訴処分決定まで3カ月あまりを要した。どれだけの時間がかかるのかは不明だが、山川の例に重ねると予想される処分決定は10月上旬。森保ジャパンは、その頃、2026年の北中米W杯出場をかけたアジア最終予選の前半戦のヤマ場で、10月10日のアウェイでのサウジアラビア戦と15日のホームでのオーストラリア戦を直前に控えている。伊東の復帰のXデーはそこになるのかもしれない。