準強制性交傷害の疑いで書類送検された伊東純也の日本代表復帰は叶うのか…ソフトバンク山川穂高の“判例”から考察すると…告発女性も書類送検され弁護士は不起訴濃厚の見解示す
サッカー元日本代表のMF伊東純也(31、スタッド・ランス)が女性2人に同意なく性行為に及んだとして刑事告訴され、伊東側も事実無根だと逆告訴していた問題で、大阪府警は2日に伊東側を準強制性交致傷容疑で、女性側を虚偽告訴容疑で、それぞれ大阪地検へ書類送検した。起訴または不起訴の判断が検察側に委ねられたなかで、伊東が望む森保ジャパンへの復帰はどのような場合にかなうのか。昨年5月に強制性交容疑で書類送検された山川穂高内野手(32、ソフトバンク)の例に照らし合わせると、不起訴が濃厚とされる検察側の処分が決定するタイミングが代表復帰のXデーとなりそうだが…。 【決定的瞬間】カタール戦の延長での劇的決勝ゴール
昨年6月の日本代表戦後に大阪市内のホテルで酔わされ、抵抗できない状態で性的暴行を受けたとして、女性2人が伊東らを刑事告訴したのが1月18日。伊東側も事実無根だとして、2月1日に逆告訴していた問題がようやくひとつの節目を迎えた。 双方の告訴状を受理した上で捜査を進めていた大阪府警は2日、伊東とトレーナーを準強制性交致傷容疑で、女性側を虚偽告訴容疑でそれぞれ大阪地検へ書類送検した。法律上では警察が刑事告訴を受理した場合、捜査が終わった段階で必ず検察側へ書類送検される。双方に対する刑事処分の有無については、大阪地検の判断に委ねられる。 伊東の今後は、実際にどのように推移していくのか。 スポーツ界では昨年5月23日に、プロ野球の西武に所属していた山川が知人女性への強制性交容疑で東京地検へ書類送検された例がある。 東京地検は書類送検から約3カ月後の8月29日に、山川を嫌疑不十分で不起訴処分にした。警視庁はこのとき、起訴を求める「厳重処分」ではなく、起訴か不起訴かの判断を検察に委ねる「相当処分」の意見をつけて山川を書類送検していた。 西武は昨年5月11日に『文春オンライン』が報じた翌日に出場選手登録を抹消したが、正式な処分は起訴か不起訴がハッキリとするまで下さなかった。不起訴処分となった後の9月4日には無期限の出場停止処分が科され、結局、一軍公式戦出場17試合、本塁打0で昨シーズンを終えた。 出場停止処分は「今回の事態を重く受け止め本人の猛省を促す」という理由で科され、山川も球団を通じて「不起訴と判断されましたが、そもそもの主たる原因は、わたしがプロ野球選手という立場をわきまえずにした行動が招いたものであり、深く反省しています」とコメント。オフには国内FA権を行使してソフトバンクへ移籍した。 つまり山川のケースに照らし合わせると、起訴か、不起訴かの検察澤の処分決定と、その発表のタイミングが伊東の代表復帰も含めた“今後”を決める上での大きな分岐点となるのだ。 伊東の場合も『デイリー新潮』が1月31日に公開した記事を介して、女性側から刑事告訴されている件が明らかになった。もっとも、所属するフランス・リーグアンのスタッド・ランスは推定無罪の原則にのっとり、右サイドを主戦場に不動のレギュラーを務める伊東を、5月19日の2023-24シーズンの最終節まで先発で起用し続けた。 スタッド・ランスのジャン=ピエール・カイヨ会長は「私は推定無罪にこだわる」として、話し合いの場をもった伊東に対して次のように言及していた。 「いつも通りの控えめな態度を見せながら、彼は『何も間違ったことはしていない』と主張している。なので、私には彼を信じない理由がない」 対照的に日本代表では、報道を境に伊東の姿が見られなくなった。 前出の『デイリー新潮』の記事は、森保ジャパンが中東カタールで開催されていたアジアカップで、3大会ぶりの優勝を目指して戦っている真っ只中に配信された。