パリオリンピックの選手たちから学ぶ「感情的知性」を高める3つの方法
競争相手を気にせず、自分をコントロールする
男子体操団体競技に出場しているポール・ジュダ選手、フレッド・リチャード選手、アッシャー・ホン選手、スティーブン・ネドロシク選手、ブロディ・マローン選手は、ときおりみんなで集まり、肩を寄せ合う姿が見られました。 同種目で銅メダルを獲得したあと、マローン選手はアメリカのテレビ番組『TODAY』に出演。肩を寄せ合って何が起こっていたのかを説明しました。 「毎種目のあとでみんなで集まって、自分たちに、この自分たちだけのシャボン玉のなかに留まるんだと言い聞かせていました」と語りました。 「つまり、ほかのチームのことを気にすることなく、自分たちがコントロールできること、つまり自分たちの体操に集中することを大切にしていました」とも説明しています。 『Inc』誌のコラムニストで心の知能指数の専門家であるジャスティン・バリソによると、他人との比較を避けることは感情的知性の重要な要素です。 バリソは最近、体操のシモーネ・バイルズ選手の自己認識に注目しました。 「他人と比較したり、過去の自分と比較するのではなく、バイルズ選手は今この瞬間に自分ができる最善を尽くすことに集中します」とバリソはつづっています。 実際、このアプローチは実を結んでおり、バイルズ選手と彼女が所属する体操チームは、女子体操団体競技で金メダルを獲得。その後、バイルズ選手は個人総合でも金メダルを獲得しています。
失望は良い動機付けになる
2004年、2008年、2012年、2016年にアメリカ女子バスケットボールチームで金メダル獲得に貢献した元プロバスケットボール選手のスー・バードは、アメリカのバスケットボール界でもっとも勝利した選手の1人です。 しかし、彼女はコートの外では失望に直面してきました。バードはビジネス誌『Fast Company』のジェフ・ビアーに対して、スーパースターの地位にあるにもかかわらず、主要なブランドが女性アスリートや女子スポーツとのパートナーシップを避けることが多いと語っています。 バードはビアーに「大げさに言うと、大物の男性アスリート、たとえばレブロン・ジェームズやトム・ブレイディなど─が部屋に入ると、みんなすぐに『これだ!』と言うんです」とコメント。 続けて「しかし、女性や女性アスリートの場合は、『うーん、売れるだろうか? うーん、みんなこれを見たいと思うかな?』という雰囲気になる瞬間が常にあります。いつもこのようなためらいがあるんです」とも説明しています。 変化を切望していたバードは、メディア業界のベテランであるジェシカ・ロバートソンや、アレックス・モーガン、クロエ・キム、シモーネ・マニュエルと共に、女性スポーツを強調するメディアとeコマースを扱う企業を立ち上げました。 そしてバードたちの取り組みは結果を出しはじめています。アリー・ファイナンシャルは、広告費を男女のスポーツに均等に配分することを約束したのです。 女性アスリートにとって、もう1つの大きな画期的な出来事があります。それは、パリオリンピックの競技が男女の均等化に近づいているということです。 オリンピックの魅力はスポーツとしての楽しみだけではありません。一流の選手たちのマインドの保ち方や考え方は十分仕事や私生活でも活用できることでしょう。 少しオリンピックの見方を変えてみるのもアリかもしれませんね! Source: TheNewYorkTimes, Inc, PBSNews Originally published by Fast Company [原文] Copyright © 2024 Mansueto Ventures LLC.
真栄田若菜/OCiETe