パリオリンピックの選手たちから学ぶ「感情的知性」を高める3つの方法
パリオリンピックを何気なく見ている人たちでさえ、選手たちのアスリートとしての運動能力のすばらしさを評価することができます。 多くのオリンピック選手の物語を追ってきた人であれば、彼らの成功におけるメンタルウェルネスが果たす役割がわかるでしょう。 オリンピック選手のなかには感情的知性の見本となるような選手がいるのです。 感情知数や心の知能指数として知られている「感情的知性」とは、自己認識、自己調整、動機付け、共感、社会的スキルの組み合わせのことを指します。 これによって人は自分自身の感情を管理し、他者とつながることができるのです。 心の知能指数は、経営書やコンサルティングの必須要素となっており、職場での感情的知性とはいったいどのようなものか、リーダーがEQスキルを磨くにはどうしたらよいのかというアドバイスを提供する記事が数多く存在します。 しかし、現在行なわれている夏季オリンピックや過去のオリンピックを見れば、世界のトップアスリートたち、特にチーム競技の選手たちがどのように感情的健康とウェルビーイングを示しているかを確認できます。 そこで今回は特にわかりやすい例を3つご紹介します。
良いプレーをする選手は、自信と共感力も備えている
ニューヨーク・タイムズの記事によると、気軽に卓球を嗜む一般プレイヤーがオリンピック選手らに勝てる…と思い込んでいることがよくあると紹介されています。 アメリカ代表のリリー・チャン選手は同誌の取材に対して「誰かと会うと、その人の最初の反応が『君に勝てると思うよ。試合しよう』になることがあります」と明かしていました。 「ほかのオリンピック選手に対して、そんなことは言わないと思うんです。たとえば、陸上のマイケル・フェルプス選手に会って、『レースで君に絶対勝てる』とは言わないと思います。」とも漏らしています。 この記事に登場する選手たちは、見知らぬ人の自信満々な言葉を気にせず、軽く受け流しています。 これは、自分の感情や反応をうまくコントロールするすばらしい例といえるでしょう。 チャン選手は共感を示し、レクリエーションルームやコミュニティセンターに卓球台が多く置かれていることが、「自分もできる」と思い込む人々の誤った自信の理由かもしれないと指摘してきしています。 チャン選手はこの感情コントロールのうまさもあってか、自信に満ちたプレーを披露し、最終的に卓球女子シングルスで16強入りを果たしています。