chocoZAPの最新動向は?RIZAPの25年3月期Q2決算を解説、事業堅調では赤字幅縮小
【RIZAP/25年3月期Q2決算】新規会員獲得でも新しいアプローチ
上期は大規模な投資を伴う既存顧客の満足度向上施策が目立ちましたが、新規会員獲得においてもこれまでにないアプローチを行っています。具体的には健康セミナー、法人向けの出店戦略、業務提携の推進です。 ●健康セミナーで潜在顧客を会員化 入会の後押しをすることを目的とした健康セミナーでは、運動に対して関心が低い潜在層に働きかけることで、参加者の67%が入会するなど成果を挙げています。運動習慣は20~30代の若い世代で比率が高く、有名インフルエンサーとのコラボなどによって集客を図っています。 ●法人向け出店で企業価値向上に貢献 法人向け出店ではクボタのグローバル技術研究所店との提携で、初の単独企業内出店を実現しました。同時期に開催した健康セミナーとの相乗効果もあり、同社の700名以上がchocoZAPに入会しました。 また、阿蘇くまもと空港やホテル信濃路店などに出店することで、施設の価値を高める可能性も見出しています。今後の国内のフィットネス市場は健康経営政策による拡大余地が大きいという見方も示しており、法人向け出店はさらに強化されることが予想されます。 ●提携で他社の顧客基盤にもアプローチ 先述したSOMPOとの提携をはじめ、他社の顧客基盤の活用も進んでいます。直近では11月14日にNTTドコモと業務提携を発表し、chocoZAP会員になればdヘルスケア(通常は月額330円)を追加料金なしで利用でき、さらに5%分のポイントを進呈する取り組みを開始しました。 膨大なトレーニングデータを保有し、自社で分析することができる強みは他社にないもので、今後も大きな顧客基盤を持つ企業との連携は会員獲得の強力なエンジンとなりそうです。
【RIZAP/25年3月期Q2決算】次の収益の柱も着々と成長
新しい収益の柱も着々と成長しています。今回の決算説明会では、広告事業と海外事業がトピックとして取り上げられました。 広告事業はchocoZAP店舗のタブレットなどを活用し、会員に向けた商品の提案などができる仕組みを提供しています。提携社数は25年3月期Q1に29社でしたが、Q2では39社まで増加。9月にはマーケティングコンサルティング事業も立ち上げ、すでに今期中に1億円以上の売上を見込んでいます。 海外事業は香港ですでに出店している2店舗に加えて追加の出店が決定しました。同地域においてもchocoZAPのローコスト&高回転のジムは優位性を発揮しており、坪あたりの会員数で一般的なジムの4倍以上の数字を達成しています。瀬戸社長は「非常に高い競争率を確保できており、大きな可能性を感じている」と将来性の高さにも言及しました。
参考資料
・RIZAPグループ株式会社 ・2025年3月期 第2四半期 決算説明会 ・ドコモとRIZAPが業務提携契約を締結 ~chocoZAP通常料金で、dヘルスケアの利用と5%分のdポイントを進呈する「chocoZAP×ドコモパッケージ」の提供を開始~
大蔵 大輔