「芯で打ちたいなら、ヘッドは真っすぐ動かすな」ってどういうこと? 簡単練習法も合わせてパッティング専門コーチが伝授
パッティングにおいて安定したストロークとは「ライ角を変化させないこと」と語るのは、ルーキーの菅楓華らを指導する平田智コーチ。自宅で簡単にできるパターの芯で打つ練習ドリルを教えてもらった。
教えてくれた人/パッティング専門の平田智コーチ
エンジョイゴルフ ゴルフスタジオ&パッティングラボラトリー福岡でツアープロからアマチュアまで教える。女子プロの菅楓華や今年ステップ・アップ・ツアーを制したアマチュアの都玲華を教える。
パターヘッドは真っ直ぐに動かさない
レッスンのスタート時にパッティング中のストロークの動きをどのように意識しているのか聞いていますが、パターヘッドを直線で動かし、フェースの開閉をさせないように打つ意識を持つ人が多くいます。もちろんフェースの開閉がなければフェースの向きは一定になるはずなので、打ち出し方向は安定しますが、実はこのヘッドを真っすぐ動かすという動きはとても難しい動きになります。 ではプロ達はヘッドを真っすぐ動かす意識でストロークしているかというと、パターの種類に限らず真っすぐ動かす意識の人は極めて少なく、フェースを開閉しながら緩やかな円軌道を描くストロークをしている場合がほとんどです。 何故真っすぐ動かすことが難しく、多くのプロはフェース開閉しているのか説明していきます! 主な要因は、「①パッティングの支点」と「②パターのライ角」の二つになります。 一つ目の「パッティングの支点」ですが、最下点を安定させたり再現性が高い動きを作るためには支点をできるだけ動かさないことが重要になります。長尺パターを胸などに押さえつけてストロークする「アンカリング」が禁止になったのは、このためです。支点が動かないと、パターヘッドと距離が変わらず、テークバックやフォロースルーで自然と高さが生まれ、円運動を描きます(画像A)。 二つ目の「パターのライ角」です。一般的なパターのライ角は70度に設定されています。このライ角によるシャフトプレーンと支点の円運動があるため、自分で操作しなくても自然とフェースはテークバックでオープンになりフォロースルーではクローズという、フェース開閉とインサイドインの動きになるのです。 つまり冒頭で述べた、多くのプロがフェースの開閉をしているというのは支点のズレが小さく、スウィングプレーンに沿った動きをすることで自然に開閉が起きるというわけです。逆を返せばフェースを真っすぐに動かすという動きは手先を使った操作が必要な動きになってしまいます。 スコアが決まるパッティングでプレッシャーのかかる場面において、手先を使った操作はミスにつながりやすいものです。
この自然な動きを体感していただくにはツアー会場でも多く使用されているテンプレートを使用すると理解できます。自宅のパターマットであればテープや糸を緩やかな円を描くように貼ってストロークすれば、パターヘッドの動きを確認できます(画像B) このような自然な動きが再現性の高さにつながりますので、フェースを真っ直ぐ動かす意識をしているは是非この動きを取り入れてみてください。 文・写真/平田智(パッティング専門コーチ) 取材協力/エンジョイゴルフ福岡
みんなのゴルフダイジェスト編集部