コウモリは皆既日食を夜と勘違いする?? 夜に1000万匹が飛び出す洞窟で確かめた
2024年4月8日に北米で皆既日食が発生、「2024 写真が記録した1年」撮影秘話
科学フォトジャーナリストのババク・タフレシ氏は、米テキサス州南部にあるフリオ・バット洞窟に向かった。 ギャラリー:皆既日食の様子も「2024 写真が記録した1年」写真21点 2024年4月8日の皆既日食の日にこの場所に来たのは、どうしても確認したいことがあったからだ。 春と夏の間、この洞窟から毎夜のように1000万匹近くのメキシコオヒキコウモリが飛び出してくる。 夜行性のコウモリは、昼間であるにもかかわらず、日食を夜と勘違いしてねぐらから出てくることはあるのだろうか? 答えはノーだった(ただし、洞窟の入口近くにいた一部のツバメは、驚いた様子で外に出てきた)。 タフレシ氏は、日食の数日前から準備を始めた。冒頭の幻想的な写真は、魚眼レンズを使って30秒間の露光で撮影したものだ。 夜になると、コウモリたちはエサとなる昆虫を求めて、川が流れるように洞窟から出てくる。 「私が見るかぎり、コウモリ同士がぶつかったことは一度もありません。協調的な行動の精度に驚かされます」
文=Heidi Schultz/訳=鈴木和博