なぜこんな投手が育成に?一軍の主力にもなれる3投手 超実戦派・京本(巨人)、球界屈指の直球・清宮(楽天)、台湾で名が轟いた才木(オリックス)
2月23日からオープン戦がスタートしたプロ野球。ここまでのキャンプで大きく成長している育成枠投手が3人いる。オリックスの才木 海翔投手(北海道栄-大阪経済大)、楽天・清宮 虎多朗投手(八千代松陰)、巨人・京本眞投手(明豊)の3人。開幕前の支配下登録も十分にあるだろう。 【一覧】オリックス 春季キャンプメンバーA班(一軍)
台湾球界でも「すごい投手だ」と話題の才木 海翔
才木は、大阪経済大時代に台頭し、最速153キロの速球を武器に3年春からリーグ戦で4季連続で防御率1点台を記録。22年のドラフトではオリックスから育成2位指名を受けた。昨年は二軍で10試合防御率6.97という成績だったが、昨年12月に行われた台湾のウインターリーグで一気に注目を浴びた。最速156キロの速球をマークし、10試合を投げ、防御率0.00、15奪三振を記録。キャンプに入っても実戦でも好投を続け、成長した姿をしっかりとアピールしている。 「『すごい投手がいる』と台湾の野球関係者の中でも話題になっていましたよ」 と答えるのが、元阪神の福永 春吾氏だ。17年から20年まで阪神でプレーし、現在は台湾・台鋼ホークスのコーチである。 「才木投手の良さは上からしっかりと叩ける投球フォームをしています。その角度の高さから投げ込まれる150キロ台のストレートは他の投手にはない大きな武器だと思います。その角度から投げ込む変化球も良いです。オリックスはまだこんな投手がいるのか…と驚かされました。支配下は十分に狙える投手だと思います」 と評価した。 活躍するポジションは中継ぎと語る。オリックスの中継ぎ陣の成績を振り返ると、去年、20試合以上を登板したのは10人いるが、「オープン戦で結果を残すことが前提になりますが、一軍に入ればその枠に入る可能性はあります」と太鼓判を押した。
清宮 虎多朗が楽天中継ぎ陣の救世主となる!?
清宮は八千代松陰時代、190センチの長身から最速145キロの速球を投げ込む大型右腕として注目され、18年のドラフトでは楽天から育成1位指名を受けた。制球難に苦しんだのち、21年にはトミージョン手術を受けたが、22年から復帰し、剛速球を披露。23年はイースタン最多セーブを記録し、球速は161キロに到達した。しっかりと階段を登ってきて、今季のキャンプを迎えたのだ。調整は順調に行っており、17日の阪神戦で1回無失点の三者凡退。ストレートはすべて155キロ以上と、球界トップクラスの速球を投げ込む。 昨年12月、楽天は57試合登板の安楽智大投手(済美)がパワハラ問題により契約が解除となり、中継ぎ陣が手薄な状況だ。清宮はその枠を狙っている。 福永氏も 「純粋にボールが強いですし、圧倒的な球速は大きな武器です。去年からそのボールの強さ、速さは際立っていました。安楽投手が抜けた枠を全員で争っている中、清宮投手は他の投手にはない155キロ以上の速球を投げ続けられる強みがありますので、結果を残し続けることで、支配下のチャンスはあると思います」 楽天は今季の実戦では未勝利。23日のロッテ戦では、4対14と大敗し、投手陣はかなり苦しい状況。清宮は7回から登板し、1回無失点に抑えており、一歩リードしている。他の投手陣が苦しむ中、1人、突き抜けた活躍を見せれば、救世主になる可能性はある。