骨の健康には「逆立ち」が効く⁉大人こそ「逆立ち」が必要な理由とメリットを紹介
近年、巷でちょっとした話題になっているのが大人の体操教室。 バク転やアクロバットに憧れをもつ大人たちがこぞって参加しているそうだけれど、それらの動きの基礎となるのが逆立ちと言っても過言ではない。 【写真】内臓や骨のポジションの調整にも!正しい逆立ちのやり方 「逆立ちができるようになると、身体操作がうまくなります。ひとつのトレーニングでもありながら、新たな体の使い方を習得することで、ゴルフのスコアアップや筋トレの重量アップなど、他の競技にも良い影響を与えてくれます」 そう話すのは、パーソナルトレーナーの林健太さん。最初は恐怖心が大きく、慣れるまでは時間がかかるかもしれないけれど、天地が逆転した状態は、日常で重力を受け続ける身体にとっては様々な良い影響を与えてくれるそう。 早速、逆立ちの効果を林さんに教えてもらった。 ▼林 健太/NESTA公認トレーナー SIXPADオフィシャルトレーナー
逆立ちの効果
逆立ちは、プランクなどと同様に、筋肉の伸び縮みのないアイソメトリックトレーニング。つまり、筋肉をつけることよりも、インナーマッスルの強化などに向いている種目。 壁倒立や三点倒立など種類も様々あるが、どんな逆立ちでもメリットが多いので、無理のない範囲で体を刺激してみよう。 ▼関節可動域アップ まずは全体重を手で支えるため、手首の十分な可動域は必要不可欠。逆立ち中は手関節が反った(背屈)状態になるが、日常の生活はその反対(掌屈)状態を作る動作が多いため、最初は無理せず慣れさせることが重要。 「料理やパソコン作業など、日常生活では背屈状態で負荷をかけることが少ないので、普段からのストレッチも大切ですが、逆立ちをすることでもその効果を得ることができます。 最初から手首に全体重がかかると、怪我につながる恐れもあるので、ステップを踏んで行ってほしいですが、腕立て伏せを行うだけでも手首に痛みや不安を感じる方は、逆立ちは避けて普段のストレッチを優先した方が良いです」 手首には小さな骨や重要な軟骨組織が存在するので、短時間で瞬間的に体重がかかる場面はより一層注意が必要だ。 ▼筋力アップ 「両腕を脚の代わりとして全身の体重を支えるため、十分な筋力が必要と思われがちですが、私たちが普段立っている時に無駄な力を使わないのと同じように、ある程度の筋力があれば逆立ちは可能です」 まったく運動経験のない人が逆立ちをすると、翌日は腹筋や肩などあらゆるところが筋肉痛になるだろうが、逆立ちは筋力で支えるのではなく、重心を捉えて行うため、特別ハードな筋トレを行なった人だけができる匠の技というわけではない。 ▼バランス感覚アップ 逆立ちはバランスを保つために胴体の安定性と制御が求められる。 腹筋群や背筋群など体幹の筋肉が、逆立ち中に背骨や骨盤を安定させ、これらの筋肉が適切な力とタイミングで働くことで、全身のバランス感覚も養われていく。 「普段の平衡感覚は、足裏や視覚からの情報などを頼りに体幹のコントロールを行っていますが、逆立ちをすることでそれらが遮断されたり反転されたりします。より不安定な状況下での体幹コントロールが必要になることで、バランス感覚も磨かれます」 バランス感覚を養うことは運動神経の向上にも繋がり、様々な競技スポーツ技術の向上はもちろん、普段の転倒予防や反応速度の強化にも繋がります。