EVを買う人は「環境のため」にお金を払う人なのか? ガソリン、HEV、PHEV…種別ごとの意識を調査
■性別や年代で差はあるのか? ここからは購入者の属性を切り口に見てみよう。まず、男女差はほとんどない。男性のほうが「あてはまる」の割合はやや高いが、「ややあてはまる」は女性のほうがその分多く、「あてはまる+ややあてはまる」で見ればほとんど差はない。 クルマという商品に対するコスト意識に、「男女差があるのでは」と思っていた筆者には意外な結果であった。 年代別での分布も見てみよう。もっとも環境への意識が高いのは、20代だ。「あてはまる」は2割に迫るほどで、そこから30代、40代……と、年代が上がるごとに下がっていく。
一方「ややあてはまる」は、20~50代で40%前後と大きく変わらず、60代以上だけが50%を超えている。結果、「あてはまる+ややあてはまる」で見ると、20~50代は、年代ごとに下がる一方で、60代以上で再び上昇に転じるものとなった。 とはいえ、「あてはまる+ややあてはまる」がもっとも低い40代でも45%を超えており、30~50代の環境意識が低いというわけではない。 今回の問いは「お金を多少余分に払ってもよいか」であるため、子育て世代の多い30~50代が低く出たとも読み取れる。
また、60代の「あてはまる+ややあてはまる」は、30~50代よりも10ポイント近く高いが、「あてはまる」だけで見ると、年代が上がるにつれて一貫して下がり続けている。若者はSDGsや環境問題への関心が強いという言説を耳にすることが多いが、こういったデータを見ても年代間の差は大きい。 最後に2018~2023年を時系列で見た結果を示す。下表のとおり、足元の環境意識は上がっていない。 直近の数年間を振り返っても、SDGsなど環境に配慮した意識・行動に関する政府や企業からのアナウンスは、年々活発になっている。企業としては、自社がSDGsにどれだけ配慮しているかを社会的責任の文脈で、非常に重視している。その一方で、本設問におけるスコアは上がっていない。