EVを買う人は「環境のため」にお金を払う人なのか? ガソリン、HEV、PHEV…種別ごとの意識を調査
【図表】パワートレイン、車種、性別、年代…今回の分析結果を先に見る 次に、車種別でも見てみよう。同一車種内でもパワートレイン別で比較できるようにした。結果を確認すると、先にパワートレイン別での全体傾向を示したとおり、同じ車種であってもパワートレインによる違いははっきりと出ている。 たとえばトヨタ「ヴォクシー」や「ヤリス」、ホンダ「フィット」「フリード」を見ると明らかであるが、ガソリン車よりもHEVを購入した人のほうが、「環境保全のためにコストを支払ってもよい」と考えている人が多い。
ヴォクシーで見ればガソリン車購入者の「あてはまる+ややあてはまる」が約4割なのに対し、HEV購入者では6割近い値となっている。 次いでトヨタ「ハリアー」を見てみよう。ハリアーはガソリン、HEV、PHEVが揃っているが、はっきりとその順番でスコアが高くなっている。 ■特徴が出ているサクラとテスラ 日産からはBEVの「アリア」「サクラ」「リーフ」を取り上げてみた。いずれも「あてはまる+ややあてはまる」が、7割程度となっている。軽自動車のサクラは、手の届きやすさが訴求ポイントのひとつであるためか、アリア、リーフよりは若干、低い。
ホンダ「N-BOX」はガソリン車のみのラインナップであるが、比較のために標準車とカスタムでデータを取った。カスタムのほうが標準車より高額となるが、環境意識にほぼ差はなく、いずれも5割弱。車両価格ではなく、パワートレインの違いが大きく影響していることが、このことからもわかる。 最後にテスラ「モデル3」の結果も紹介する。ご存じのとおりテスラはBEV専門メーカーであるが、結果を見ると「あてはまる+ややあてはまる」のスコアは日産の3車より低い。
これは、テスラを「環境に優しいクルマ」として捉えているのではなく、さまざまな先進性やクルマの新たな在り方を提示するテスラのモノづくりに惹かれ、購入している人が多いことを表しているといえるだろう。 続いては、登録車(普通車)と軽自動車でわけた結果も見てみよう。 結果は普通車購入者のほうが軽自動車購入者より、「環境保全のためにコストを支払ってもよい」と考える人が多かった。軽自動車購入者のほうが価格に敏感であり、余分なコストを支払うことへの抵抗が強いためと読み取れる。