ATMで振込先を間違えた…!相手の連絡先が分からない場合、銀行で対応してもらえますか?
返金意思を確認できなければ訴訟を提起するほかない
受取人と連絡がとれなかったり、返金を拒否されたりした場合は、返金を諦めるか、不当利得返還請求訴訟を提起するかの2択となるでしょう。訴訟の根拠としては、民法第703条が該当すると考えられます。 <民法第703条> 法律上の原因なく他人の財産又は労務によって利益を受け、そのために他人に損失を及ぼした者は、その利益の存する限度において、これを返還する義務を負う。 ただし、訴えを起こすためには、相手の特定が必要です。銀行は個人情報を開示しない可能性が高いため、弁護士などに依頼する方法が現実的でしょう。弁護士は、受任している事件について必要な情報を得るため、弁護士法第23条の2に基づいて情報の照会を求める権利を有しています。 <弁護士法第23条の2> 弁護士は、受任している事件について、所属弁護士会に対し、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることを申し出ることができる。申出があつた場合において、当該弁護士会は、その申出が適当でないと認めるときは、これを拒絶することができる。 2 弁護士会は、前項の規定による申出に基き、公務所又は公私の団体に照会して必要な事項の報告を求めることができる。
返金手続きは金融機関に依頼できるが、受取人の承認を得られなかった場合は自力で対応する必要がある
誤って送金した相手に連絡できない場合は、振込元の金融機関に「組戻し」という返金手続きを依頼することが可能です。 依頼された金融機関は、振込先の金融機関を介して、受取人の返金意思を確認します。受取人が返金を承認すれば解決ですが、連絡をとれなかった場合や、承認を得られなかった場合は、返金を諦めるか、不当利得返還請求訴訟を提起するしかないでしょう。 以上のように、ささいなミスによる誤振込も、受取人の対応次第では裁判に発展する可能性があります。こうした事態を回避するためにも、送金の手続きは慎重に行いましょう。 出典 デジタル庁 e-Gov法令検索 民法(明治二十九年法律第八十九号)第七百三条 デジタル庁 e-Gov法令検索 弁護士法(昭和二十四年法律第二百五号)第二十三条の二 執筆者:FINANCIAL FIELD編集部 ファイナンシャルプランナー
ファイナンシャルフィールド編集部