提携先変更のアキュラARX-06にジョーカー投入? NSX GT3は消滅? 2025年北米スポーツカー最新動向
すでにウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティ・オートスポーツとアキュラ(HRC US)との提携関係終了がアナウンスされるなど、夏前から2025年に向けた情報がいくつか出てきているIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権。 【写真】グラディエント・レーシングが2024年のIMSA・GTDクラスに投入している66号車アキュラ NSX GT3 Evo22 シリーズは8月1週目恒例のロード・アメリカでの一戦を終え、ストーブリーグ情報がさらに活性化してきている。 ■WEC参戦を“引き続き評価”するアキュラ 前述の提携解消に伴い、アキュラは2025年からメイヤー・シャンク・レーシングと新たなパートナーシップを開始するが、HRC USのデビッド・ソルターズ社長はSportscar365 に対し、来年アキュラARX-06に『エボ・ジョーカー』を使用するかどうか検討中であると述べている。 ただしこのアップデートはパフォーマンス関連ではなく、耐久性とコスト削減に重点を置いたものになるという。また、これに関してはまだ最終決定もされていない。 「もちろん、その点については検討する必要がある」とソルターズは語る。 「耐久性、コストの面など、クルマをアップデートしたいと考えている部分がある。すべてのマニュファクチャラーが検討していることだと思うので、これは当然の流れだ」 「それに関してはいくつかの考え方があるので、我々は何が理にかなっているかを検討しなければならない」 ソルターズはまた、FIA、ACO、IMSAが下したLMDhとLMH(ル・マン・ハイパーカー)の技術規則を2029年のIMSAウェザーテック選手権とWEC世界耐久選手権のシーズン終了まで延長するという判断を称賛し、これは関係するマニュファクチャラーに「安定性」を与えるものだと付け加えた。 HRCは将来に向けてWECのハイパーカープログラムを引き続き評価しているものの、その決定へのタイムラインは示していないと、ソルターズは述べている。 また、2025年のウェザーテック選手権のグリッドにアキュラNSX GT3 Evo22が登場する可能性は低いが、それはカスタマーの関心によるものであり、GTDプロとGTDクラスの車量にトルクセンサーを装備するために各GT3マニュファクチャラーの開発が必要であるという事実に基づくものではない、とソルターズは示唆した。NSX GT3 Evo22は、2028年末まで、FIAによりホモロゲートされている。 Sportscar365は、今年唯一のアキュラGTDエントリーであるグラディエント・レーシングが、来年別のGT3ブランドに切り替える準備をしているものと理解している。テキサスを拠点とする同チームはロード・アメリカ戦の週末、マスタング・チャレンジに参戦するサザン・ペイリー・モータースポーツをサポートしていた。 ■ヒョンデとの提携が噂されるガナッシ、LMP2参戦の可能性も? このほかGTPクラスのストーブリーグは本格化しており、来年は各ファクトリーのエントラント/チームで、ドライバーまたは車両のいずれかの面で何かしらの変更が予想されている。 前述のとおりアキュラのプログラムを引き継ぐメイヤー・シャンク・レーシングでは、コリン・ブラウンとトム・ブロンクビストのふたりのメインドライバーが、2台へと拡大された取り組みに加わる予定だ。 一方、キャデラック・Vシリーズ.R陣営に移ることが見込まれるウェイン・テイラー・レーシング・ウィズ・アンドレッティは、車両のメーカーは変われど、ドライバーラインアップは変更されない見通しだ。 ピポ・デラーニがチームを離脱するアクション・エクスプレス・レーシングでは、ジャック・エイトケンが31号車キャデラックのシートへと復帰する見込みで、新たなチームメイトも迎えることになりそう。 ファクトリー・ポルシェ963を走らせるポルシェ・ペンスキー・モータースポーツについては、2台どちらかのラインアップに変更が見込まれているほか、BMW Mチーム RLLのBMW Mハイブリッド V8でもラインアップ変更の可能性がある。なお、RLLはBMWとの契約をあと1年、残している。 一方、現在キャデラックのワークスプログラムを担い、2026年からはヒョンデ/ジェネシスのLMDhプログラムを運営する候補として噂されているチップ・ガナッシ・レーシングは、スポーツカーレース事業をそのまま維持するために、2025年はLMP2クラスへと移行する可能性があると噂されている。 ダレン・ターナー、マリオ・ファーンバッハー、ハリー・ティンクネルの3人は、先月シルバーストンとドニントン・パークでアストンマーティン・ヴァルキリーAMR-LMHのシェイクダウンを担当した。 義務付けられたWECの2台体制のプログラムと、ウェザーテック選手権で予想される1台体制のプログラムを考慮すると、オペレーションを担うハート・オブ・レーシングには少なくとも8名のドライバーが必要となる。 ロス・ガンは、この車両で「かなり近いうちに」初走行する予定となっており、このファクトリードライバーは2025年にプログラムに参加したいという希望を表明している。 [オートスポーツweb 2024年08月06日]