原油安と円安修正はロシア経済制裁の「空振り」が要因だ
急激な原油高や円安に歯止めがかかっています。背景には何があるのでしょうか(写真:yazawa/PIXTA)
原油WTI価格は一時、1バレル90ドル割れとなり、6月9日高値の122ドルから下落、ロシアによるウクライナ侵攻以前の水準に戻った。 8月3日のOPEC(石油輸出国機構)プラスの会合では、9月の増産幅を日量わずか10万バレル引き上げただけだった。原油増産を求め中東に訪問したバイデン大統領への回答としては、ほぼゼロ回答に近いものだった。 このニュースで原油価格は反発しても不思議ではなかったが、逆に一段安となったのは、OPECプラスの増産の動向に関係なく、足元の原油需給が緩和していたためだ。 原油需給緩和は、ガソリン高などでアメリカでのガソリン販売が減少するなど、原油需要の落ち込みが原因ともいわれるが、主因はロシアの原油生産が回復していることにある。
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新見 未来