ロシアにとっては象徴的勝利 東部アウディーイウカを制圧
アウディーイウカ、ウクライナ、2月19日 (AP) ― ロシアのウクライナ侵攻3年めを間近に控えた2月17日、東部戦線ドネツク州の激戦地アウディーイウカが、ロシア軍の手に落ちた。 ウクライナ軍のシルスキー総司令官は、4カ月にわたって優勢な兵力のロシア軍を相手に、厳しい防衛戦を繰り広げていたアウディーイウカから撤退すると発表したが、その同じ日、ロシア国防省は同地を完全制圧下に置いたと公表した。 撤退を前に、第3独立強襲旅団のクドリアショフ副司令官は16日、ウクライナ軍は約1万5000人のロシア軍の猛攻に耐えているが、状況は「すぐに危機的状況になるだろう」と述べた。 ウクライナ軍は、アウディーイウカのコークス工場に防衛線を敷いていたが、「ロシア軍は約60発の爆弾を投下、地域一帯を砲撃、装甲車と歩兵部隊による攻撃を開始した」と同副司令官はSNSに投稿した。 ドネツクの北郊外に位置し、トンネル網が張り巡らされ、コンクリートで要塞化されたアウディーイウカの占領は、モスクワにとって時宜を得た勝利となり、ロシアがこの地域にさらに深く侵入する足がかりとなる可能性がある。 しかし、ワシントンのシンクタンク「戦争研究所」は、アヴディーイウカの制圧はクレムリンにとって象徴的な勝利にすぎず、ここ数カ月ほとんど動きのなかった長大な1500キロの戦線に、大きな変化をもたらすことはないだろうと述べている。 (日本語翻訳・編集 アフロ)