中国長者番付、最年少の女性富豪に飲料大手「ワハハ」創業者の娘 資産8600億円
フォーブスアジアが11月6日に発表した「中国の富豪100人」のランキングの2024年版で、最年少の女性富豪となったのが、中国の飲料メーカー大手「杭州娃哈哈(ワハハ)集団」の会長でCEOの宗馥莉(ゾン・フーリー)だ。 ワハハの創業者の宗慶後(ゾン・チンホウ)の1人娘である彼女は、今年2月に父を亡くし、7月に会社の経営を正式に引き継いだ。フォーブスは、現在42歳のゾンの保有資産を56億ドル(約8620億円)と試算し、彼女を中国で66位の富豪としている。 ワハハの2022年の売上高は、政府系の調査会社のデータで512億元(約1兆1100億円)とされたが、広州のコンサルティング会社iiMedia Researchによれば、2023年の売上高は推定10%増加し、ポートフォリオの拡大戦略の成功を受けて今年は30%の成長が見込まれるという。ワハハはボトル入り飲料で広く知られているが、新たに無糖の飲料やお茶をベースとした飲料を投入している。 英語名をケリーと名乗るゾンは、米国のペパーダイン大学を卒業し、2004年にワハハに入社してマーケティングと広報部門を率い、2021年に副会長に就任した。彼女はまた、無糖の烏龍茶などを扱う別の家族経営会社のブランドの「KellyOne(ケリーワン)」を設立し、父からワハハの持分を相続した。 ゾンが今直面する課題は、2013年のピーク時の売上高が780億元(約1兆6000億円)に達していたワハハの業績を復活させることだ。アナリストによると同社は、これまで地方都市に集中していた流通ネットワークを刷新し、エナジードリンクや茶系の飲料などで若年層や健康志向の消費者を引き付けようとしている。
Yue Wang