がん患者の家族が知っておくべき“心構え”とは? 診断時の受け止め方や注意点を医師が伝授
家族ががんと診断されると、誰もが大きなショックを受け、不安や戸惑いを感じるでしょう。このような状況に直面したとき、どのような心構えで、どのように行動したらいいのかは知っておきたいところです。支える側もつらくなってしまったら、どうしたらいいのでしょうか。今回は、がん患者の家族が大切な人を守るために必要なことについて、「こころサポートクリニック」の平山先生に、解説していただきました。 【イラスト解説】がんを予防する“5つの習慣”
家族ががんと診断されたときの対処法・受け止め方
編集部: 家族ががんと診断されて、現実を受け入れられません……。 平山先生: とても大きなショックを受けると思います。まずは冷静に状況を把握し、主治医としっかりと話し合って診断内容や治療方針を理解するよう努めましょう。がんと言ってもその病態は様々で、適切に治療することで完治が期待できるものも多くあります。パニックにならずに、まずは冷静に説明を聞きましょう。とはいえ、やはり冷静に説明を聞くのは難しいこともあるので、複数名で聞いたり、メモを取ったりすることも有効です。 編集部: どのように患者さんを支えたらいいのでしょうか? 平山先生: まずは患者さんの気持ちに寄り添い、話をよく聞いてあげることが大切です。その上で無理に励ますのでもなく、変な特別扱いもせず、なるべくこれまで通りと変わらない態度でコミュニケーションを取ることを心がけましょう。特別扱いすると、かえって患者さんの孤立感を深めてしまう場合があります。患者さんができること・したいことを無理のない範囲で尊重し、どんなサポートが必要か、本人に確認しながら進めてください。「本人は何も言ってくれないし、どう関わっていいかわからない」ということもあるかもしれませんが、ご家族がそばにいるだけでも患者さんは心強いと思います。 編集部: がんになった家族を支えるにあたって、注意すべき点はありますか? 平山先生: 大事なのは、患者さん本人を含めてご家族でコミュニケーションを密に取ること、そして不明点があれば主治医などに相談することです。どう接していいのかわからなくなるあまり、患者さんとご家族のコミュニケーションが希薄になるケースもありがちです。そうなるとお互いにぎくしゃくしてしまいます。だからこそ、これまで以上に話し合う時間をたくさん取ってほしいと思います。