〔東京外為〕ドル、153円台後半=次期米財務長官巡る思惑で下落(25日正午)
25日午前の東京外国為替市場のドルの対円相場(気配値)は、実需買いが一巡した後は「次期米財務長官を巡る思惑から再び売りが出た」(資産運用会社)とされ、1ドル=153円台後半に下落している。正午現在は、153円76~77銭と前週末(午後5時、154円71~72銭)比95銭のドル安・円高。 前週末の海外市場では、欧州時間は154円80銭台に上昇した後、154円40銭前後で小動き。米国時間は、序盤に良好な米経済指標を背景に155円前後に水準を切り上げたが、新規の取引材料に欠き、154円60~90銭台でもみ合う展開だった。 この日の東京早朝は、売りが先行し、154円近辺に大きく値を下げた後、154円20~30銭台で推移。午前9時すぎにかけて米長期金利の低下などを受けた売りで、153円80銭台に軟化した。仲値公示にかけては、実需買いが優勢で154円20銭台に上げたものの、再び売りが優勢となり、153円50銭台に下落した。 市場ではドル円下落について、「財政面でタカ派な姿勢のベッセント氏が次期米財務長官に指名され、財政拡張に歯止めがかかるとの見方が広がった」(国内銀行)との声が聞かれた。財政規律が堅持されれば米金利上昇が抑えられるという。「売られ過ぎたユーロが買い戻されてドルが売られ、ドル円に波及した」(外為仲介業者)側面もあったようだ。 東京時間は、米財務長官人事を意識した売りが再燃したもようだが、「153円を割り込むほどの強い材料ではない」(先の資産運用会社)。午後は「材料に乏しく、方向感なく推移する」(先の国内銀行)とみられている。 ユーロは朝方に比べ対円で下落、対ドルで小幅高。正午現在、1ユーロ=161円24~25銭(前週末午後5時、162円23~24銭)、対ドルでは1.0486~0487ドル(同1.0485~0486ドル)。