断熱等級6の130平米の一戸建ての冷暖房をまるごと床下冷暖房システム1基で担う 横浜市・Tさん家族【断熱新時代・住宅実例】
全館空調機には、掃除の時以外は木製の扉を付けており、リビングにスタディコーナーをつくりたいという要望を兼ねて、一体化したデザインに。
温度調整された空気は床下を通って「ガラリ」と呼ばれる通気口からくる仕組み。
2階では、天井にある換気口から1階で冷やされた空気が届き、涼しい。どの部屋にも換気口がある。
光熱費でもメリットがある。 「冷暖房の不要な春や秋は送風モードに。エアコン設定は、夏は24.5℃~25℃、冬は23℃。外気との気温差がある冬の電気代は1万5000円程度ですが、夏なら6000円程度。太陽光発電で電気を売っていて、それがほぼ同額で、電気代はプラマイゼロになる計算です」(夫)
きっかけは家づくりセミナー。実際に住まいを体験して決意。
「高気密・高断熱の住宅にしよう」と思ったのは、家づくりセミナーの参加がきっかけ。 「そこで、高気密・高断熱住宅は、結露やカビになりにくい、光熱費が抑えられる、地球にやさしい、健康面でもメリットがあると学びました。さらに、実際の住宅を2軒ほど見学させてもらったんです。それがもう驚きで。“え、どの部屋もこんなに快適なんだ”って感動しました」(夫) 夫妻2人とも神奈川と千葉の一戸建て育ち。築年数は古い。「年末年始に実家に帰ると、みんながいるリビングは暖房が効いて暖かいけれど、廊下は極寒。ヒートショックになる危険性があると思いました。耐えきれず、洗面所には電気ヒーターを置いたりしていました。一戸建てって、それが普通かと思っていたのに、高気密・高断熱の家は全然違ったんです」(妻) 完成した新居のリビングは吹き抜け。下から暖かい空気がのぼり、冬でもスリッパなしの生活だ。吹き抜けは広すぎて冷暖房が効きにくいという概念も覆された。冬はどの部屋でも暖かいため、実家のように“寒いからドア閉めて”と、逐一言わなくて済むようにもなったという。 撮影日は夏日で、エアコンなしでは無理な気候。ところが、2階に上がるとひんやり。 「でしょう。一戸建てって2階が暑いって思っていました。実家もそうでしたから。でも我が家は2階も涼しい。ちゃんと1階で冷やされた空気が循環しているんです。狭いトイレすら夏も涼しいんですから」(夫)
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