【オークス】桜花賞馬ステレンボッシュは崩れない 相手候補はライトバックやタガノエルピーダ
逆転候補はライトバック、スウィープフィートそしてタガノエルピーダ
そんな限られる好走パターンについて、前走クラス別成績を頼りに詳しくみてみよう。 前走桜花賞は【7-5-6-63】勝率8.6%、複勝率22.2%で当然、前走GⅠの大半を占める。今年は桜花賞から1、3、4、8、13、17着が登録した。ステレンボッシュに迫る、ないし逆転する馬はいるだろうか。 桜花賞1着はこの10年で【4-1-0-3】勝率50.0%、複勝率62.5%。これを高いととるか、つけ入るスキがあるととるか、そこは競馬観だろうか。ただ、4着以下に敗れた3頭はレッツゴードンキ、レーヌミノル、ソダシなので、やはり距離の限界はあった。今年のステレンボッシュは血統表にシーザリオ、エアグルーヴ、ダイナカールの名があるオークス血統であり、主にマイル戦に出走してきたとはいえ、距離に壁があるとは思えない。スピードというより末脚を武器とするタイプでもあり、脚さえ溜められれば最後は伸びてくる。 データ上、逆転を託すなら3着【2-1-1-5】勝率22.2%、複勝率44.4%まで。近年は4着以下【0-3-3-51】で馬券圏内への浮上こそあれど、ひっくり返すまでには至っていない。ただ、10着以下だった馬が3着に3頭入っており、ここはしっかり見極めたい。アルテミスSからぶっつけで桜花賞に挑んだチェルヴィニアは当時と違うだろう。また桜花賞のレース内容を踏まえると、明らかに遅れ差しの形になったライトバックやスウィープフィートも距離が延びて楽しみは残る。中団につけて流れに乗れれば逆転まで託したくなる。 トライアルではフローラS【1-3-1-39】勝率2.3%、複勝率11.4%をとりあげる。1着【0-3-0-7】、2着【0-0-0-9】、3着【1-0-0-5】、5着【0-0-1-5】。勝ち馬アドマイヤベルは候補に残る。 忘れてはいけないのが忘れな草賞で【2-0-1-8】勝率18.1%、複勝率27.3%だ。数年置きにオークス馬を送っており、最後は2019年ラヴズオンリーユー。5年経っており、そろそろと思わなくもない。 タガノエルピーダには朝日杯FS3着の実績がある。チューリップ賞4着で権利を逃し、起死回生を狙った忘れな草賞をとった。前後半1000m58.1-61.3のハイペースを4コーナー先頭から押し切り、2着に2馬身半差とパフォーマンスは評価できる。0.1秒以上つけて勝った馬は【2-0-1-4】、0秒3以上【1-0-0-1】でデータもあと押しする。ちょっとスピード色が強く映るが、1:59.4はレース史上3位。極端に速くないのはむしろ好感をもてる。このレースでハイペースを演出したパレハが登録しており、上手く利用できれば後続の末脚を削げるのではないか。 ライタープロフィール 勝木 淳 競馬を主戦場とする文筆家。競馬系出版社勤務を経てフリーに。優駿エッセイ賞2016にて『築地と競馬と』でグランプリ受賞。主に競馬のWEBフリーペーパー&ブログ『ウマフリ』や競馬雑誌『優駿』(中央競馬ピーアール・センター)にて記事を執筆。Yahoo!ニュースエキスパートを務める。新刊『キタサンブラック伝説 王道を駆け抜けたみんなの愛馬』(星海社新書)に寄稿。
勝木淳