石破茂からの電話「どうして高市なんですか」…勝率なんと89%《都知事選石丸旋風》に貢献した「選挙の神様」が自民党総裁選で「高市早苗」を推した理由
事業の儲けを政治に投入
紆余曲折を経て政治の世界に入ったのは23歳のとき。田中派の山本幸雄議員の秘書を12年務め、地方議員や首長の選挙を支援した。自民党から大阪市議補選に出馬して当選したのは1991年、37歳のときだった。 「スタートは自民党でしたが、除名されてしまった。政治改革を掲げて離党した小沢一郎に共鳴して新生党に合流したためです。その後、市議2期目の途中で衆院選に出馬するも落選。三重県名張市長選でも落選して政治家の道を断念しました。 ひと儲けしようと海外に渡り、ゲリラ活動が展開されていたインドネシアのアチェで金を掘っていた時期もあります。金がザクザク出てきて、当時は億万長者になれると思っていた。尊敬する人物は頭山満先生。日本に帰って『平成の頭山満』になるつもりでした。ところが、いざ儲けようとしたところ、イラク戦争が勃発して稼いだ資金を没収されてしまった。ゲリラの長に『ミスタージャパン、帰ってください』と言われ、泣く泣く帰国しました」 帰国後、民主党にいた小沢氏から『選挙を手伝ってほしい』と請われて政治の世界に戻った。その後、自民党でもリベラルでもない第三極をつくろうと、減税日本やみんなの党の選挙参謀を務め、2017年に東京維新の会の事務局長に就任。2022年11月に藤川選挙戦略研究所を立ち上げた。 「こんなところに事務所を構えているのでさぞ儲かっていると思われがちですが、実態はそんなことありません。都知事選も石丸さんから一銭も受け取っていません。昭和の頃は別ですが、平成になると規制等が厳しくなり、選挙で儲かった記憶はありません。 実際、事務所の収支を見ると、支出は500万円くらい。いわば大赤字です。では、どうやって事務所を維持しているのか。仲間に出資してもらった資金を元手にして複数の事業を行っており、そこで稼いだ資金を政治活動に投入しています」
高市早苗を支援した理由
9月の自民党総裁選では高市早苗氏を支援した。 「石丸さんの影響で若者の政治参加がある程度実現し、次は女性だと考えました。もっとも、自民党から除名されて以来、非自民を31年貫いてきた。それがいきなり自民党総裁選というのは説を曲げるようなもの。 石破(茂)さんから電話があり、『あなたと私は田中派からの縁がある。どうして高市なんですか。頼むから応援せず、止まってください』と言われました。ここで話を止めればいいのに、石破さんは『朝賀(昭)さんに叱られて電話しています』と続けた。『余計なことを言わなければいいのに。石破さんらしいな』と思いました。 躊躇もありましたが、ドトールコーヒー創業者である鳥羽(博道)会長からの支援依頼だったため、断ることはできません。長い付き合いであり、日本をよくするために私財を投げ売って政治家を応援する鳥羽さんは貴重な存在です。いまの時代、あんな人はいませんよ。 そういえば、石丸さんの都知事選の際、鳥羽さんは150万円しか寄付できないと知って愕然としていました。イーロン・マスクは180億円もの大金を(ドナルド・)トランプに寄付しています。それに比較すると日本はどうなのか。現状の制度では政治家は育ちません」