海外サッカーでも続いている差別との戦い
昨年の12月、ウェストブロムウィッジのフランス人ストライカー、アネルカがゴールを決めた後、反ユダヤ的ゼスチャーをとったことで、この2月に5試合の出場停止及び、約1360万円の罰金処分を受けた。本人は「友人コメディアンの真似をしただけ」と主張したが、厳しい処分が下ってしまった。 実は筆者も、このゼスチャーに反ユダヤの意味がある事を報道で知った。スアレスやアネルカは知識不足から生まれたケースだ。こうした不幸を生まないためにもFIFA、UEFA、各国協会、選手組合による地道な教育・啓蒙活動によって、あらゆる差別の基を絶って行かないといけない。 UEFAは加盟協会に反ラシズムのための資金を提供し、国によっては4部、5部といった下部リーグの試合でも人種差別反対のキャンペーンを行っている。FIFAの役員で、かつて反アパルトヘイトの活動家であったトーキョー・セックスウェル氏は「反人種差別のFIFAランキング導入も考えている」という。 (文責・中田徹/欧州在住スポーツライター)