「たかがそんなことで仕事だと思うな」…陸自駐屯地の女性隊員3人、パワハラで国と上官提訴
陸上自衛隊海田市駐屯地(広島県海田町)の駐屯地業務隊に所属する30~50歳代の女性隊員3人が、上官からどなって業務を命じられたり、厳しい叱責を受けたりするなどのパワーハラスメントがあったとして、国と上官に慰謝料など計990万円の損害賠償を求める訴訟を地裁に起こした。提訴は1日付。 訴状などによると、女性3人は技官として勤務。2018年7月の西日本豪雨で隊員らを対象とした「24時間診療」に従事した際、上官だった科長から「たかがそんなことで仕事だと思うな。帰りたいなら帰れ」などとどなって業務を命じられたほか、22年6月には「誰の許可を得て残業しているんだ」と叱責されるなど、22件のパワハラ行為を訴えている。
女性ら3人は適応障害と診断され休職。うち2人はその後復帰したが、1人は復帰訓練中という。 22年9月から防衛省が実施した特別防衛監察にも意見書を提出したが、ハラスメントと認定されなかったという。 1日に広島市内で弁護団とともに女性隊員2人が記者会見し、このうち1人は「職場にSOSを出しても無視され続けた。自分の人生を取り戻したい」と訴えた。同駐屯地は「現時点で訴状が届いておらず、確認できない」としている。