米新築住宅販売は大幅減、2年ぶり低水準-ハリケーン被害が打撃
(ブルームバーグ): 米国の新築住宅販売件数は10月に大幅に減少し、約2年ぶりの低水準となった。手頃な物件を入手しにくい状況が続いていることに加え、南部を襲った2つのハリケーンが影響した。
ハリケーン「へリーン」と「ミルトン」が南東部の一部を襲ったため、最大の住宅市場である同地域で販売が遅れ、全米ベースの統計にも影響を与えた。南部での販売は前月比28%減の33万9000戸と、2020年4月以来の低水準。西部でも減少。北東部と中西部では増加した。
新築住宅販売価格の中央値は前年同月比3.8%上昇し、43万7300ドル(約6720万円)と、1年2カ月ぶりの高水準に達した。南部での販売減少が一部影響した。
新築住宅販売件数は9月には増加していた。借り入れコストが短期間低下したことが支えになった。しかし勢いは持続しなかったことが今回の統計で判明した。
米30年物固定住宅ローン金利は9月に2年ぶり低水準となった後、再び上昇している。トランプ次期政権でインフレが加速し財政赤字が拡大するとの見方が背景にある。
海軍連邦信用組合のエコノミスト、ロバート・フリック氏は「住宅ローン金利の急上昇が新築住宅販売の勢いをそいだ。ローン金利が6%付近から7%近くへと急激に上がり、買い手は様子見せざるを得なくなった」とリポートに記した。「住宅ローンの申請も減少傾向で、販売がすぐに持ち直すとは思えない」と指摘した。
10月末時点で売りに出されていた物件は、前月比2.1%増の48万1000戸。現在の販売ペースで見た場合、在庫消化に要する期間は9.5カ月で、2年ぶりの長期間となった。
統計の詳細は表をご覧ください。
原題:US New-Home Sales Slump to Two-Year Low After Storms in South(抜粋)
--取材協力:Chris Middleton.
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Michael Sasso