スーツケースに込めた日本の心:プロテカ(PROTECA)、20年の挑戦と進化
日本製のトラベルバッグブランド「プロテカ(PROTECA)」が、今年でブランド誕生20周年を迎えた。 プロテカはスーツケースの国内生産60年の実績を持つ、バッグとラゲージの総合メーカー・エース株式会社を代表するトラベルバッグブランドだ。世界最高レベルの高品質を維持しつつ、日本ならではの豊かな感性から新しい商品と信頼を生み出すことを重視している。これまで、安心・安全という価値を提供し続けてきた。 ブランド誕生から20年、プロテカがどのように進化し、時代とともに歩んできたのか。同社のPRを務める森川さんに取材した。
日本の職人ならではの高度な技術と品質管理
ーまずは、プロテカブランドが誕生した背景を教えていただけますか? エース株式会社は1960年に海外ラゲージブランドとの技術提携を締結し、1964年に日本で初めてスーツケースの国内生産を開始。長年、海外ラゲージブランドのライセンス商品を日本国内で製造・販売して参りました。 そして、日本でスーツケースを製造開始し始めてから40年を迎えた2004年。エース製スーツケースで海外展開に乗り出すため、海外ラゲージブランドとのライセンス契約を解消し、培ってきた技術の集大成としてトラベルバッグブランド「プロテカ」をデビューさせました。 ネーミングの由来は Protect(守る) 、Technology(技術) 、ACE (エースの理念)。高度な技術を維持しながらデザインを進化させ続け、世界中の人々から愛されるラゲージの創造を目指し、“究極のラゲージ”を追求すべく、世界に向けてプロテカブランドを発信して参りました。 ー日本製スーツケースの強みや特徴について、お聞かせください。 日本製のスーツケースの強みは、日本の職人ならではの繊細で高度な技術と徹底した品質管理が上げられます。60年にわたり培ってきた、エースの技術とノウハウが集約された生産拠点・北海道の赤平工場ではスーツケースの組み立て1ラインに携わる職人は8名程度と、海外工場の20~30名と比較すると少数先鋭で組み立てています。 海外工場では各工程を細分化し、1人あたりの作業を簡略化することで流れ作業的に生産効率を上げ、大量生産できる体制を採用しています。 これに対し赤平工場では、1人が複数工程を担い、前後の工程も把握しながら自主検品しているため、品質向上につながっています。 また、エース品質管理研究所において徹底した品質管理テストを開発段階や抽出検品で実施しています。海外工場と比較すると生産効率は劣りますが、店頭クレームは販売数に対し0.1%以下と圧倒的に低い不良率を維持しています。