スーツケースに込めた日本の心:プロテカ(PROTECA)、20年の挑戦と進化
ー20年間で最も印象に残っている製品についても教えてください。 2015年にブランドをリブランディングし、デザインオフィスであるnendoの佐藤オオキ氏をクリエイティブディレクターに迎え、360°開閉する画期的なスーツケース「360」を発売しました。その年の日経トレンディヒット商品ベスト30や、日経MJのヒット番付に選出されるなど、以前に増して注目を集め、大きな飛躍の年となりました。
ーブランド誕生20周年記念のアイテムも販売されているんですよね。 プロテカ誕生20周年を記念し、水平垂直リブデザインが特徴の高性能モデル「スタリアCXR」から、金属の質感を表現した高級感のある限定モデル「スタリアCXR 20th LTD2」を、9月下旬より発売予定です。 ポリカーボネート混合樹脂にアルミニウムの薄い膜を蒸着させることで、メタリックな質感を実現。樹脂の軽量性と金属の質感とを両立させました。
その他、静かで滑らかな走行を可能にする「サイレントキャスター®」と「ベアロンホイール®」、不意な走行を防ぐため、手元スイッチで簡単に車輪を固定できる独自開発・特許取得のキャスターストッパー「マジックストップ®」などの、旅を快適にする機能を搭載しています。
世界中で愛されるスーツケース
ーコロナ禍を経て、旅行者のニーズやスーツケースの需要にどのような変化があったのでしょうか。 円安の影響もあり、国内旅行に行く方が多いので、2~3泊の機内持ち込みサイズが最も好調です。反対に1週間以上の大型サイズの人気も高まっています。Withコロナになり、留学や家族旅行に行かれる方、またインバウンドでの需要もあります。 中国、香港、台湾といったアジアを中心に実店舗販売を行うほか、越境ECを通じて欧米でもご好評いただいております。 先述の通り、インバウンドのご購入も増えており、日比谷にあるプロテカ直営店には多くの外国人観光客の方が高品質な日本製スーツケースを求めて来店されています。 ー昨今のデジタル技術の進化に伴い、スーツケースにどのような革新が起きていますか? 2017年にIoTを導入した日本初の国産スマートラゲージ「マックスパススマート」を発売しました(現在は販売終了)。このラゲージには、TrackR®搭載によるトラッキング機能などを搭載しています。 また、次世代移動支援技術開発コンソーシアムが研究開発を進め、日本科学未来館で試験運用されている視覚障害者の移動を支援する自律型ナビゲーションロボット「AIスーツケース」に、プロテカの「マックスパス3」が使用されています。 今後の展開については、日本の職人の匠の技術を結集したプロテカのプレステージラインを来年以降展開する予定です。どうぞご期待ください。