厚生年金「ひとりで月額30万円以上」の受給者はどのくらい?老後資金の準備「3つのポイント」も解説
「国民年金(基礎年金)のみ」の平均受給額
次に、1階部分の「国民年金部分だけ」の平均受給額を見てみましょう。 ●国民年金(老齢基礎年金)の受給額 ・〈全体〉平均年金月額:5万6316円 ・〈男性〉平均年金月額:5万8798円 ・〈女性〉平均年金月額:5万4426円 ● 【国民年金】受給額ごとの人数(1万円刻み) ・1万円未満:6万5660人 ・1万円以上~2万円未満:27万4330人 ・2万円以上~3万円未満:88万1065人 ・3万円以上~4万円未満:266万1520人 ・4万円以上~5万円未満:465万5774人 ・5万円以上~6万円未満:824万6178人 ・6万円以上~7万円未満:1484万7491人 ・7万円以上~:178万3609人 厚生年金には国民年金が含まれていますが、1階部分の国民年金部分だけの平均月額は5万6316円です。 国民年金のみで老後生活をするのはなかなか難しいでしょう。 特に自営業者など、厚生年金に加入していない方々は、老後の生活費を補うために貯蓄や他の年金制度への加入、資産運用を考える必要があるかもしれません。
自助努力を考える:老後の備えのためにできること
日本の年金制度について見てきましたが、年金だけで十分な老後を送れる方は少ないのが現実です。 公的年金制度の改善を期待するのも一つの方法ですが、自ら備えることが重要です。ここでは、老後資金の準備に役立つ3つのポイントをご紹介します。 ●お金の整理を行う まずは、お金の整理を行いましょう。将来どのくらいのお金が必要になるのかを把握しなければ、具体的な準備ができません。ゴールが見えなければ、計画を立てるのも難しいです。 ねんきん定期便などを利用して将来の収入を大まかに把握し、現在の生活費と比較してみましょう。もしマイナスになる場合、何年分の生活費を補う必要があるか計算することで、必要な資金が見えてきます。 これにより、具体的な対策を立てることができます。 ●先取り貯蓄 次に、先取り貯蓄をおすすめします。これは毎月決まった金額を予め貯蓄に回す方法です。日々の生活費から余った金額を貯めるよりも、確実に貯蓄を増やすことができます。 いきなり大きな金額を貯めるのは難しいかもしれませんが、まずは小さな金額から始めることが大切です。継続することで、着実に貯蓄を増やすことができます。 ●資産運用の活用 最後に、資産運用の活用です。NISAやiDeCoなどを利用することで、貯蓄だけでは得られないリターンを期待できます。 日本の今の状況では、貯金だけでお金を増やすのは難しいため、資産運用を考えるのも一つの方法です。 今年1月に改定されたNISAを機に、多くの人が資産運用に注目しています。 ただし、リスクも伴うため、無理のない範囲で取り組むことが重要です。 ●まとめ:老後資金はねんきんネットやねんきん定期便の確認から 今回、年金の平均受給額にフォーカスしましたが、個人差が大きいことが明らかになりました。 老後資金の計画を立てるためには、自分の年金受給額を確認することが第一歩です。ねんきん定期便やねんきんネットを利用して、受給予定額を知ることができます。 また、公的年金の増額方法や私的年金の準備、預貯金の積み立て、資産運用の開始など、様々な対策を検討することが大切です。 新NISAなど、新たな制度も視野に入れながら、自分に合った資産形成方法を考えてみましょう。
参考資料
・厚生労働省年金局「令和4年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」 ・日本年金機構「大切なお知らせ、「ねんきん定期便」をお届けしています」 ・日本年金機構「ねんきんネット」とは? ・総務省統計局「家計調査(家計収支編)最新結果 2023年(令和5年)平均(2024年2月6日公表)」
徳原 龍裕