大のプロレス好きアイドル・中山夏月姫が聞く、アプガ(プ) 渡辺未詩が頂点に上り詰めるまで
プロレスの“プ”の字もわからなかった
──そこは昔から一貫していますよね。まだOCHA NORMA結成前、ハロプロ研修生時代から同じことを言っていたのを覚えています。 中山 研修生だった頃、よくファンの方から「トランキーロ、あっせんなよ(※内藤の決めゼリフ)」とか言われたんですよ。でも、焦るに決まっているよ!って内心ちょっと思っていましたね(笑)。 ──一方、渡辺選手はデビューするまでプロレスに一切興味がなかったのだとか。 渡辺 いや、だから本当に夏月姫ちゃんとはだいぶ違いますよ。とにかく小さい頃からアイドル一辺倒で、中でも特にハロプロさんが大好きで、高校生くらいからオーディション情報もチェックするようになったんですね。その中で見つけたのがアップアップガールズ(プロレス)のオーディション。逆に言うと、それまではプロレスの“プ”の字もわからなかったくらいで。 ──でも(プロレス)と謳われている以上、興味がなくてもプロレスをやることは覚悟していたんですよね? 渡辺 う~ん……覚悟はなかったですね。そのへんはすごく軽く考えていました。もともと(仮)姉さん(アップアップガールズ(仮))は“アスリート系アイドル”と呼ばれていたじゃないですか。ハードなライブをするアイドルの最前線にいる存在で。 それにモーニング娘。さんが夏フェスのパフォーマンスで“体力おばけ”と言われて注目されていた時期だったので、アプガ(プロレス)も「ちょっとスポーティなアイドルなのかな?」くらいの軽い気持ちで応募しちゃったんですよ。「プロレス? よくわからないけど、とりあえず送ってから考えよう」って。 中山 改めて、とんでもない話ですよ。これからプロレスをやるというのに、プロレスのことを何ひとつわかっていないんだから(笑)。 渡辺 それに加えてもうひとつあったのは、当時、高校3年生で進路選択が始まる時期だったから、わりと切羽詰まっていたんです。「アイドルになるんだったら今しかないぞ」みたいな気持ちがあって。 中山 それこそ「あっせんなよ!」という感じですけどね(笑)。 渡辺 いやいや、私も私で焦りまくっていました(笑)。 中山 でも実際、どうだったんですか? プロレスに関する知識がゼロの状態なわけだから、たとえば練習とかも大変だったんじゃないですか? 渡辺 なんだかもう意味がわからなかったですね。「キラキラしたアイドルになりたかったのに、なんでこんな床に背中を叩きつけられているんだろう?」とか思って。プロレスが好きな状態で始めたら、つらくても頑張ることができるはずなんですよ。だけど私の場合はまったくそうじゃなかったから、本当に苦しくて、いつ辞めるかということばかり考えていました。